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LeGrand De LaGoon  作者: 新野篤史
トケイソウ
10/26

ブレノ博士の政治学講座ーその1

 クロード様、よろしいですかな?なにやら気もそぞろ、といったご様子ですね……。ま弟君(おとうとぎみ)にとっては晴れの日ですし、お気持ちがわからないでもありません。が、やるべきことはしっかりとやっていただかなければ立派な皇族にはなれませんぞ。


 今日は帝国の統治体制についてのお話でしたな。今回は3つの事柄、すなわち帝国軍、内閣、元老院について大まかにお教えします。

 まずは帝国軍ですな。この国が教皇様の守護者を勤め続けるためには不可欠なものですぞ。常備兵力は20万、人口の1%前後ですな。規模、規律、実力、どれをとっても世界最高峰の軍隊でしょう。

 では、組織を見て行きましょう。軍は大きく六つに分けられ、それぞれ国内の六つの州を統括しています。さらに、陛下の直轄領、そして教皇領の警備にあたる警邏隊、宮殿と皇族をお守りする親衛隊といった部隊が存在します。これらの部隊をまとめているのが、「六将会(りくしょうかい)」と呼ばれる会議です。この会に参加される皆さんは、帝国でもっとも実力ある方ばかりなので覚えておくべきでしょうな。

 まずあなたのお父上、皇帝ファビオ様です。そしてよくご存知の宰相グァンリー・ウェイ。第一軍将軍アベル・ガルダン様は陛下の兄上ですね。第二軍将軍ディーノ・ネヴァレスは陛下の従兄弟(いとこ)にあたります。第三軍将軍はあなたの伯父(おじ)上、ラザール・オレフィスですね。以下第四将軍エドワード・アディントン、第五将軍フェルディナン・バボ、第六将軍レオン・ルグラン、親衛隊長パメラ・デ・サンクティス、彼女は唯一の女性です。そして、警邏隊長ダスティン・カークランド。以上10名が参加者となります。なんですか?「『六将会』なのに10人なのはおかしい。」とおっしゃるのですか?たしかにもともとは6人だったのですよ。帝国の拡大とともに人数も増えたわけですが、名前はそのままなのです。

 続いては内閣のお話です。ここは国の政治を実行するところですね。宰相を中心に大蔵、外務、流通、法務の4人の大臣がおります。それぞれ見ていきましょう。大蔵大臣はネヴァレス将軍が兼任しています。主に税の徴収や予算の作成を行います。地方貴族の元締めでもありますが、貴族のお話はいずれまた。外務大臣は伝統的に宰相自らが兼任します。周辺国との関係を握る重要なポストですな。流通大臣はジャック・ヒエタミエス。商業・貿易を取り仕切り、街道や航路の整備計画も担当します。このポストは元老院から選出するのが慣例となっています。そして法務大臣は私、エミリアーノ・ブレノでございます。あらゆる法律、制度を管理するほか、学校、裁判所などもこちらで統括しております。

 最後に元老院のお話をしましょう。元老院は各州にある地方院の代表者と、直轄領の代表者によって構成される議会です。議席は200。議員は三年に一度の選挙で、身分に関係なく選出されます。法律の制定と政治への助言を通し、国民の意見を政治に反映させることを目的として活動しております。現在の議長は流通大臣のヒエタミエスとなっています。


 いかがですかな?今回のお話はこの国の政治を語る上では基本中の基本ですので、よく覚えてくいただきたい。

 次回からは、各政治分野についてお話ししていくことになります。明日は外交のお話から始めることにいたしましょう。

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