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転送テン生  作者: ツルギ
第一章 決別と出会い
4/4

化け物退治とレベルアップ

_朝食を済ませ、家に戻り暫くゲームをしていた裕二。


昨日から苦戦していたボスとの戦い…

相手の攻撃力は非常に高く、ヒーラー無しでは太刀打ち出来ない程に強かった。


裕二は回復アイテムとヒーラーを上手く使いながらボスと戦う。


HPが非常に多く、粘り強さも持っている厄介なボス…


裕二は『特訓の証』というアイテムを取り出し、技を放った。するとボスは忽ち倒れ、裕二のパーティーが見事勝利。


「お、やってんなぁ〜!」


横から覗いてきたのは裕二に嫌われているマータだった。裕二は「何か用?」と言わんばかりの目でマータを睨んだ。


 「何だその目はッ!俺直々に大事なことをお前に伝えに来たのによぉ!返事も返さないし......ホント乗りの悪ぃ奴だな!!」


 マータのその言葉に少し苛立ち、「大事なことって何?」と冷たく言った。正直大事なことが少し気になるだけで、マータのことなど気にかけていないからだ。


 「ボスから、ちょっとしたクエストだとよ。あと、それに応じて自分の特色に合わせたジョブを決め、技を使いこなせるようにしろってよ。」


 ちょっとしたクエスト。響きが良い......報酬とか貰えたりしたらもっと理想に近付く...!!

そしてRPGによくある自分のジョブを決めるやーつも来た...!!こんな自分に用意シチュエーション豪華すぎだろと裕二は思った。


 「せーぜー頑張れよ!あ、クエストの同行としてランディアも一緒に来てくれるらしいから、「うぇ〜ん!敵強くて勝てないよ〜」って時は頼ってもいいらしいぞ。」


 _一言余計だよッ!

苛つきを隠せないでいる裕二は、心の中でそう感じた。


 「マータ、あの言い方どうにかならない?」


 「癖だから仕方ねぇだろ?しかもあいつなんか素っ気ねぇんだよ...もしかしてお前、意地でも仲良くさせようとか思ってんじゃねぇだろうな!?」


 「私は言い方のことを指摘しただけ。変に意識し過ぎだよ!」


 「んだよそれ、まぁいいや。一緒に戦うってんだから、あのゲームオタクが行き詰まったらなんとかしてやれよ〜」


 二人の話は十分といっていいほどよく聞こえた。


 _マータ、やはりお前はアニメとかに良くある、「根はいいやつだけど素直になれない系男子」だなぁ?


 ニヤついている裕二の前に、昨日の服装のままのランディアが微笑みながら寄って来た。


 「......ツン!」

 「んにゃ...!?」


 急に頬を指でツンツン突いてきたランディア。出会って日が浅い為そんなことされるとは思ってなかった裕二はだいぶ動揺しているご様子。


 「初めてのクエスト、緊張してるっ?」

 

 「まぁ、そこそこ...かな?」


 なにせ、裕二は初めてのクエストなど、ゲームで十二分に体験してるから緊張などとっくのとうに慣れている。さっきだって......


 「(回想)ああ、一万回目のボスだあ、どうしよう......今更ながら緊張してきたぁ......」


 ......いや、これ以上言うのはよそう。裕二のメンタルが持たん。


 「マータから聞いたと思うけど、今回のジョブ決めとクエストは私が一緒だねっ!」


 「そ、そうですね......」


 「あ〜もしかして緊張してる??」


 「さっき言ったじゃないですか、そこそこって!」


 「そういう意味じゃないっ!私と一緒ってことに緊張してるっ?てこと!」


 「そ、それも......そこそこ、です。」


 恥ずかしがりながらそういうと、ランディアは微笑みを戻した。


 「君のちょっと素直じゃないとこ、私は好きだよっ!」


 好き...裕二的慣れない言葉ランキングNo.1。前世は引きこもりだったから恋愛とかそういうのは無縁で、唯一好きという意味がしっかりわかった時は母親といる時だけ。




 _マザコンか。


 「んじゃ、早速行ってみよ〜!」


 「は、早くないですかぁ!?ってウワァっ!?」


 なされるがまま裕二は手を引っ張られ、ジョブ決めをする為、近くの街の冒険者ギルドへ。


 「おいおい、あいつ......最強パーティーの一人の美女として名が知られているベリアス・ランディアとの距離、近くねぇか...?誰だ......?何者だ......?」


 「知らねえよそんなもん、ってか知りたくねえよ!!」


 「馴れ馴れしく触れて言い方じゃないというのにあのド変態そうな奴はぁ......!!」


 まずい...モブに目をつけられている...そして変な目で見られている......


 「......?


あっ...!!」


 焦燥感に目が眩みながらも、流されるように冒険者ギルドに入っていった。


 「こんにちは~!」


 「ちゃ〜っす。ご自由のジョブをお選びくださぁい。」


 その声、その態度に一切やる気を感じられない。

受付人にしては怠け者すぎないか......?


 「どれにする〜?ステータスとかは別の日に出してもらうとして......」


 「ひえぇ〜!!な、ナイフだぁ......!!」


 ナイフを突きつけられ怯える受付人に哀れみを感じながら、横に並んだ十数種類のジョブを眺める裕二。


 _勇者、ヒーラー、魔法使い.........


 「わ、わわわわわ......!!!」


 剣士......!!!

この身体の持ち主の前世はどうやら勇者だったらしいけど、それじゃ割に合わない。何より剣士という今までの憧れがあるんだからッ......!


 「どうしたの?そんなに目をキラキラと輝かせて、良いの見つけた?」


 「こ、こここ.....これぇ!!」


 目の前の憧れに言いたい言葉が消失しかけている裕二。オタク心が擽られているのだから。


 「剣士......を、選んじゃったか。」


 「だ、駄目でしたか...?」


 急にスンと下を向くランディアに少し不安になる裕二。


 「実はねぇ、この世界では剣士っていうのは取得難関扱い超難関って言われてるんだ。」


 ランディアは裕二に気を配りながらも全てにおいて難関である戦闘ジョブ、剣士の説明をした。


 「剣士を会得するにはまず左端にある勇者のジョブが必要でね、そのジョブを上手く使いこなせるかが鍵なんだよね。君には申し訳ないけど、剣士じゃないのを選ぶしかない。一応努力さえすれば勇者のジョブから剣士のジョブへ変更できるけど」


 ランディアは僕の機嫌を伺っているのか、変にソワソワしている。

_でも裕二の機嫌は割と良い方だった。


 「な〜んだそれだけか!なら喜んで使わせてもらおう!」


 努力さえすれば憧れの剣士になれるんだからその為なら勇者だろうがなんだろうがやってやらぁ!!というのが今の裕二の気持ちだった。


 「あいつ、剣士やるつもりだったのか〜」


 「あんな無礼な奴には無理だよ!有名な冒険者の一人にくっついてるようなド変態そうなやつはね!!」


 モブがザワザワしている。そんなに凄いのかランディアって......戦うところは見ていなかったから、どこまで凄いのか地味に気になりつつある裕二。


 _多分使いこなす練習の時に実力を見せてくれるだろう。そう信じた。


 「よし着いた〜!ここが練習場!使える場所が結構広くて、トレーニングにはピッタリ!」


 さすがランディア、いい場所を知っているな_と謎の感心をしている裕二。


 「......野次は、居ないね!運が良いっ!!」


 「......ランディア、ちょっと気になったことがあるんだけどさ。」


 「なに?」


 「ランディア達のパーティーって結構有名らしいけど、どれぐらい強いの?」


 「あ〜私達の総合評価が気になるんだね?」


 なんか難しい言葉に変わったけど、なんとなく伝わるからまぁいいか。


 「冒険者レベルが皆大体50レベで、それぞれのジョブの強さのレベルが平均100ぐらい。攻撃力と魔力は普通のパーティーの場合だと限界が1500だけど、私達の攻撃力と魔力は限界がないけど消耗はする。でも雑魚はワンパンできるし敵の技は避けれるし自分の身体とかも鍛えてるから変に体力がぐんと下がったりしたりたがドバーって出る事はまずないかな。敵があまりにも強すぎたら太刀打ちは難しいけど......」


 や、やっぱなんか情報量が凄い......


 「説明だけじゃ中々わかんなかったら、そこら辺に湧いてるモンスターで試してみようか。」


 なんで平気にモンスターなんて湧いてんだ...此処の環境はモンスターが出やすいような環境なのか...?

ランディアの軽い言葉に裕二はキョドった。


 「ヒーラーって前に言ったよね?」


 「あ、うん。」


 初めてあった時のことを思い出した。昨日のことだが_


「初めまして!私はヒーラーのランディア!君の名前は?」


 間違いない、ヒーラーだと言っていた。でも、ヒーラーって回復中心のジョブって印象があるから、攻撃に使えるのかは定かではない。多分今知ることになる_


 「ヒーラーは科学で賄えてねっ?その科学は、危険な物質を作れば、それがそのまま武器になるんだっ!んで、それを特殊詠唱に変え、威力を倍にさせて魔術として放つ...この仕組みの名は”無詠唱科学魔術式転換むえいしょうかがくまじゅつしきてんかん”_文字通り、詠唱をせずに危険物質を科学的に魔術として、魔法の一つの技として転換し放つと言った、最強の頭脳を持つ人しか得られないもの!!試しに硫酸の皮膚を溶かす効果を強化させる為に魔術に捩じ込み、威力を倍にしてみる_


 ”(サルファーリック)(アシッド)極光(オーロラ)”!!」


 「%&%##&%’’(&”$%!!」


 極悪そうなモンスターが一雫の小ささ程度の硫酸を喰らい、一瞬で消え去った。

正式名称長いしよく分からないけど、強くてかっけぇ......と目を煌めかせる裕二。


 「さて、私の強さでなんとなくパーティー全員の実力がわかったところで!次は君の番っ!」


 _次は俺か。勇者の技は何があるか...そしてその技でどれだけのモンスターを倒せるのか......!!

現れたモンスターを前に、裕二は咄嗟に剣を生成し果敢に挑んでいく。


 「_勝手に剣が作られた、こいつは凄え!」


 「ぐぁるるるるる!!!」


 「よし、まずは剣に気をためる...的なことをしてみよう。」


 剣に気がたまる。苦労するかと思いきや意外とあっさりだ。


 「たまった!なら次はそれっぽいオーラを出してみよう!」


 それっぽいオーラが体の周りを覆う。ブルー色に輝く勇敢さの証だ_まさに勇者という感じ。


 「おおっ!このオーラ青色なのセンス良いな〜!!んじゃあ次は技を作り上げてみよう。

......どんなのが良いだろうか。」


 じっくり考えている裕二の時の流れは遅い。モンスターの攻撃など余裕で躱せる程だ_


 「覚えるのが早い。とても今までゲームをポチポチやっていたとは思えない...いや、そのゲームの経験が糧...?この勇者が今考えていることはわからない、けど...全体的に緩みを感じる一つ一つの動きと、モンスターをちらっと見て技を身に着けようとする向上心_もしや、進化工程を楽しんでいる......?


 「_よし、あれで行こう!


ランディアは詠唱をせずに別の概念を強化するといった感じだったが、

_俺はあえて詠唱を使って威力を剣に込める。そして威力を実大にさせるっ!」


 オーラが深く濃いブルー色から、奥底まで眩しさが止まない、イエロー色へ_!


 「さぁ、光り給え我が剣よ_!

剣の下に立つは裕二なるものなり_!

漆黒の闇を払い除け、神の叡智を結集させよう_!

善のどの者にも祝福あれ!悪のどの者にも赦しと裁きあれ!

この神聖なる詠唱が、この神聖なる一撃が...!

いずれすべてを変えうるだろう!!

神の力宿りし時、我等を止める様な罪人は居ない!!

_今、解き放て!ゴッドメテオッ!!」


 裕二は十字架を作るように剣を振り地面に突き刺した。すると天から無数の隕石が降り注ぎ、モンスターを跡形もなく潰された。


 「よ〜し!!成功成功っ!!」


 「す、す......すごぉいっ!!!獣のようなモンスターを一瞬にして倒した!!すごいよ!すごいよ〜!!!」


 _いつも通りくっつくたがるランディア。だが、ふとさっきの潰した獣のところをよく見ると...

浮いている。獣が潰されたとはいえ、ちょっと変だ。裕二は興味本位で見てみることにした。


 すると_


 「...う、....あ.....」


 「女の子...?」


 「どうしたの?急に私から遠ざかっちゃって〜!って、女の子?」


 「......あなたが、たすけて...くれたの?」


 「ま、まあそんなとこかな〜」


  適当にそれっぽい技打っただけ。


 「......!!恩人......!」


 「そ、そういうつもりはさほどなかったというか〜」


 本当にただの偶然である。まぐれである。それ以外の何物でもない。


 「あなたの、名前を...きかせて...ください...!!」


 「...俺の名前、か。



笹垣裕二だ。ここらでは聞かない名だとは思うが、将来剣士になる男だ。

_んで、隣りにいるのが...」


 「ゆ、裕二様!!」


 謎の少女は覚悟を決めたような目で裕二を見ている。

_何を言おうとしてるんだ?絶賛混乱中である。


 「よ、よければ......あなた様のその夢を......お支え、したいですッ!!」


 その言葉に迷いや嘘は含まれていない、純粋にそう思っているのだと、裕二は確信した。


 「......よし、良いだろうッ!!では君も、一緒に来たまえ!俺のいるパーティーに!!」


 「ちょ、ちょっといいのそういうのって!メンバー加入はある程度なら許容範囲だってあの人は言ってたけど...」


 「良いんですかっ!?是非ッ!!」


 「こ、この子...乗り気だぁ泣

後でどうなっても知らんぞ私は〜......」


有名パーティー、「刹那の身斬屋みきりや」新たなメンバー加入&裕二ジョブレベルアップ!


続く

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