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転送テン生  作者: ツルギ
第一章 決別と出会い
3/4

夕食と戦

  _ゲームをぶっ通しでやり続け、気付けば日が沈んでいた。


  夕食は何処で食べるのかと誰かに聞こうとすると、丁度いいタイミングでランディアが呼びに来た。


  『トントン、今大丈夫かな?』


  裕二はゲームをやめて『大丈夫です!』と言った。


  『良かった。じゃあ入るね〜!』


  そう言うとランディアは部屋の扉を開けた。

 すると裕二はランディアの服装に驚いた。


  数時間前の服装はパジャマっぽい服装だったのだが、今は足を半分露出していて、上半身も戦士っぽいブラ以外着ていない奇抜な服装になっている。


  『そ、その服装って…?』


  裕二は思わず聞いてしまった。奇抜な服装してるのににっこりした顔で堂々と入って来たんだ、無理もない。


  『あ、これ?今から獲物狩りに行くから、自分好みの動きやすい服装してきたの!』


  _マジかぁ、裕二はそのランディアの『好み』を聞いてちょっと引いてしまった。


  『あっ、こういうの苦手…?』


  _苦手…ではないのだが、見られるのは苦手じゃないのか。裕二は心配していた。


  『あっ、大丈夫です!そういう服装が好きなのなら否定はしませんし…!!』


  こ、これでいいのだろうか…返答はこれで合ってるのだろうか…!!

  ランディアを見ようとしている自分が恥ずかしくなってきて目を合わせられないゲーマーが、ここには居る。


  『あ、そうだ!良かったら君も狩りに行く?獲物!』


  『わ、わかりました…行きます。』


  断ろうと思ったが、断ったら変な空気になりそうだったから承諾した。


  『そんなに固くならなくていいんだよ〜!だって私達仲間でしょっ?…友達って言うべきかな!』


  _と、友達…


  過去の出来事が一瞬フラッシュバックした。

 ランディアが心配していたが、『大丈夫だよ!』と言ってはぐらかした。


  狩場(?)に着いた。すると、マータとルーレイ、古い魔法の木の家に案内してくれた人がマンモスみたいな感じのでっかいのと戦っていた。


  裕二は服装は部屋着のままだったが、それでも大丈夫っぽかった。


  マータやルーレイは最初に出会った時と一緒の服装だった。


  でも、あの家へ案内してくれた人は黒い皮のマントみたいなのを羽織っていて、中には灰色のTシャツを着ていた。


  あの人の服の選びは独特のセンスがありながらも懐かしい感じがする。


  気の所為だと思い、3人の戦闘をぼーっとしながら唯只管見ていた。


  3人共見事な手捌きだった。

 ルーレイが弓矢を使って相手を倒れさせ、マータがトリックを使って体内の不純物をパッと消し、案内してくれた人がさっと焼く準備。


  鍋や調味料が置いてある。焼いた後は切り分けて好きにしろって感じか…なんだか新鮮だと裕二は感じた。

  オープンワールドはすぐ飽きるから距離を置いていたのだが、実際体験してみると楽しいものだなと心の底から思った。


  『ジュー、バチバチバチバチ…』


  心地よいこの香ばしい音、匂い…思わず涎が出てしまう。


  『美味そう過ぎて涎垂れまくってんぞ〜ゲーム廃人!』


  マータが涎を垂らした僕に挑発してきた。


  『こ、これはちが…』


  するとマータはハンカチを裕二の手にそっと渡した。


  『これ、使えよ。』


  _そう言って定位置に戻った。意外と優しいとこあんだなと裕二は思った。


  周りの3人は微笑んだ。最初は喧嘩するかと思っていたが、なんだかんだで裕二はマータの優しさに触れることが出来た。


  _それから暫くして、


  『ごめ〜ん遅れちゃった〜!』


 料理を始め、5人が料理を食べ終えた数分後に美月が狩場に来た。


  『遅いぞ〜!一応美月の分は取っておいたから、美味しく食べて明日に備えるんだぞ!』


  ルーレイは美月の気を遣うように、狩場に残った。たらふく食った後だったので少し眠たそうだが…


  『ほんと、ルーレイっていつも優しいね。

 誰かを助けたり守ったり出来るんだから。

 でも私は、あの子を救いたかったけど…

 …忘れよう!今は食べることに集中しなきゃ!

 あれ、寝ちゃった?』


  _爆睡状態、さっきの話は寝てて聞いてなかったパターン。


  『…そこまで気を遣わなくてもいいのに。

 ふふっ、面白い人っ。』


  そう言って自分の分を全部平らげ、ルーレイの寝ている横で、ぐっすりと眠った。


  _翌日。


  日差しが暖かい朝がやってきた。眠たい目をこすりながら、家にいた裕二達4人は狩場へ行く。


  一方狩場では…


  『ふぁぁぁ…良く寝た。って、美月!?

 家に帰ったと思ったんだけど…まさか添い寝していたとは、気付かなかった…』


  ルーレイが美月を見つめた。


  『…起きろ〜起きろ美月〜!起きろ〜!起きろ〜!!起きろ〜!!!




 朝だぞッ!?早く起きろ美月ィ!!!!』


  怪獣みたいにデカい声をあげて起こすルーレイ。なんだか個性的な怒号だ。


  『わっ!?…びっくりしたぁ、そんな声出さないでよっ!』


  『そんな声出さないように努力したけど〜??』


  『へぇ〜…何処がよ!!全く努力しないでデカい声で早く起こすことを努力してんじゃないの!!』


  『デカい声で起こされたくなけりゃ自分で起きりゃあいい話だ!』


  『私朝苦手なのよ!!』


  草原に2人の喧嘩声が響く。


  『おいおい2人とも、朝っぱらから喧嘩してどうした〜…』


  家に居た4人が喧嘩声を聞き駆けつけてきた。


  『だってこいつが!!』


  『ガキか。』


  アニメや漫画でよくある、仲が悪い2人と息ピッタリになって、ツッコミ役がツッコむ構図が出来上がった。


  『ほら、朝飯食べるぞ〜

 僕は今からトースト作るから、2人は他の奴らと木の実を採ってきてくれ。』


  『わかりました〜

 って声合わせるな!』


  『いつまでやってんだそれ…仲良しかよ。』


  そして言われた通り2人は木の実をじゃんじゃん採取した。どっちが多く木の実を採れるか競い合いをしながら…


  その光景を見ていた裕二達3人は、


  『何やってんだこの2人…』


  と思うしかなかった。


  続く

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