高杉君VSゴブリン。リベンジマッチ①
僕達は、獣道みたいな細い道を歩く。
しかし、ゴブリンを発見出来ない。
工藤が歩くと、ガチャガチャと金属音がするから、ゴブリンは逃げてしまうのではないだろうか?
うむ…僕は作戦を考える。
逃げ道が無い一本道に、ゴブリンを追い込むか?
道の奥に工藤を立たせて、道を封鎖して、僕が手前から追い込んで、ゴブリンを挟み撃ちにする。
取り敢えず、やってみるか。
僕は作戦を工藤に伝えて、木の後ろに隠れてもらい、道の反対側からゴブリンを追い込む事にする。
僕は、木の後ろに隠れて、静かにゴブリンが来るのを待つ。
暫く待っていると、ゴブリンが4匹現れた。
一番後ろを歩いていたゴブリンが通過したのを見て、僕は右肩に斧を担いで「ゴブリン!死ね!」と、大声を出しながら、ゴブリンに向かって突進する。
すると、不意を突かれたゴブリンは、道の奥に向かって走り出す。
僕は「工藤ー!」と、叫ぶ。
工藤がゆっくりと現れて、道を塞ぐ。
よし、僕の作戦通りだ!
道を塞いだ工藤は、大盾を両手で持ち、頭の上に持ち上げる。
そして、ゴブリンが近くに来たタイミングで、大盾をゴブリン目掛けて、上から下に振り下ろす「シールド・ノック!」
工藤の大盾の攻撃を受けた、先頭を走っていたゴブリンが転び、転んだゴブリンに躓き、後ろを走っていたゴブリンが、次々に転んだ。
よし、ナイスだ!工藤!良くやった!
すると、工藤が大盾を自分の真上に両手で振り上げて、「シールドノック!」とか言いながら、何度もゴブリン達を叩き続ける。
僕が到着した時には、ゴブリンは4匹とも光の粒子になって消え、ゴブリンの魔石が4個地面に落ちていた。
「高杉!やったぞ!ゴブリンを倒した!」工藤は、嬉しそうに僕に言う。
…そうかよ!僕は少しも嬉しくない!
工藤には、ゴブリンの足止めをしてもらい、この僕が倒す予定だったのに、重い斧を持って走り、疲れただけではないか!
くそー!何で工藤が倒してるんだよ!
だが、ゴブリンの討伐には成功した。
もう暫く、このまま続けて、様子を見てみるか。
「工藤!もう暫く、いまの作戦を続けるぞ!」僕が言うと、工藤は「分かった!ゴブリンの討伐は、俺に任せてくれ!」そう言った。
何を言ってるんだ?ゴブリンを倒すのは、この僕だ。
バカじゃないか?
たまたま、討伐に成功したからって、良い気になるなよ。
僕達は、再び木の後ろに隠れてゴブリンが来るのを待つ。
なかなか現れない。
違う場所にするか?そう思っていたら、やっとゴブリンが現れた。
今度は3匹だ。
3匹目が通り過ぎたタイミングで、僕が大声を出しながら、ゴブリンを後ろから追い立てる。
斧が重くて、ゴブリンから引き離される。
道の奥から工藤が現れ、工藤が「シールドノック!」とか言って、大盾でゴブリンを袋叩きにする。
僕が到着した時には、ゴブリンは討伐された後だった。
チキショー!また、1匹も倒せなかったではないか!
何で工藤が倒してるんだよ!
違うだろう!




