高杉VSゴブリン③
僕と工藤は、背中合わせに立ち、互いの後ろを守りあっている状況だ。
「おい、工藤。僕の掛け声に合わせて、右にカニ歩きだ。2人でここから脱出するぞ!」僕が言う。
すると工藤が「分かった」と言った。
僕は「いち・に・いち・に」と声を掛ける。
うん?妙だぞ。
工藤の甲冑が擦れる音が、遠ざかってないか?
「痛い!」僕のお尻に激痛が走る。
工藤を見ると、やはり、僕から遠ざかっている。
僕は工藤を呼び寄せる。
「おい、工藤。何で僕から遠ざかったんだ?」すると工藤は「だって、カニ歩きで右って言っただろう?」と言う。
違う!そうじゃない!
「いいか工藤。いま僕達は背中合わせだ。それは分かるな?つまり、僕が右と言う事は、工藤は左に行かないと、僕達は遠ざかって行くんだ。だから、工藤は僕の掛け声に合わせて、左に行くんだ。分かったか?」
「ああ、分かった。なら最初から左って言ってくれ!」
こいつ~!それくらい分かれよ!この脳筋が!
その後、僕達は何とか地下4階からの脱出に成功した。
次は地下3階だ。
でも、新人探索者パーティーが、何組も角ウサギ狩りをしていて、僕達は攻撃を受けること無く通過出来た。
僕のお尻は、痛みを通り越して熱い。
燃える様に熱い。
その後、僕達は、何とかダンジョン出入口の近くにたどり着く。
「大丈夫か?君!」と言って、探索者協会のスタッフが駆けてくる。
遅いんだよ!もっと早く、助けに来いよ!
僕はストレッチャーに、うつ伏せに寝かされ、併設されている診療所に連れていかれた。
そして、女性の看護師さんが、僕の靴を脱がし、ズボンとパンツを脱がす。
…またしても、僕の大切なお尻を女子に見られてしまった…。
チキショー!
医師から、シップを貼るなら保険適応になる。
ポーションなら、保険の適応外だと説明をうけた。
そんな事は、先日も説明を受けたから知っている。
だから、僕の答えはひとつ!
「ポーションで!」僕は、お尻にポーションをかけてもらい、お尻の熱も痛みも無くなった。
後ろを振り返り、お尻を見る。
うん、お尻のケアは完璧だ。
くそー!ゴブリンめ!ただじゃおかない!絶対に復讐してやる!
僕は、お尻の恨みだけは、決して忘れない男だ!!
診察室から出て、診療所の出口に向かって廊下を歩く。
待合室で工藤が待っていた。
僕は工藤を連れて、ショップに向かって歩く。
あのジジイ!何が物理耐性だ!ふざけやがって!あのズボンとパンツを履いていたのに、お尻にダメージを受けたじゃないか。
文句を言ってやる!!
ショップには、あのジジイがいた。
僕は、ゴブリンからお尻に何発も、ケツバットをくらい、お尻にダメージを受けたと、ジジイに文句を言う。
するとジジイは「それは災難だったね」と言った。
それからジジイは「その糸は物理耐性が付いているから、ちょっとやそっとじゃ切れないんだ。だから、何処も破けて無いだろう?」と言う。
なに?そう言う事か。
もっと分かり易く説明しろよ!
物理耐性と、物理攻撃耐性を間違えてしまったではないか。
くそー!
僕が、イライラしていると、工藤が「高杉!ゴブリンが持っていたのはバットじゃなくて、こん棒だ。だから、ケツバットではなくて、ケツこん棒じゃないか?」と余計な事を言ってくる。
うるさいぞ!工藤!
僕と工藤は、食堂に行く。
僕は自販機でサイダーを買う。
シュワシュワの清涼感が、イライラした心に染み渡る。
すると、工藤がやって来た。
どうせ、また、プリンだろ。
…やはり、お盆にプリンがのっていた!
「工藤。僕は暫く探索者の仕事を休む。完璧なゴブリン対策を考えるから、対策が完了するまで待ってくれ。万全な体制になったら、また、ゴブリン退治に行くぞ!」僕が言うと、工藤は「分かった!また、誘ってくれ」そう言った。




