拓哉と美鈴は、再び天空の城に行く。
僕達は、いま、支店長室にいる。
美鈴さんと2人で、天空の城に行って、僕達の部屋に、保存食やトイレットペーパーなどの備品を持って行く為に、ダンジョンにやってきた。
僕は、手に入れた風の装備を身に付けている。
美鈴さんと、色違いのお揃いだ!
軽くて、生地がスベスベで、着心地抜群。
更に、美鈴さんから「とても似合ってるよ!」と褒められ、嬉しさ倍増だ!
僕達がダンジョンに入ろうとしたら、事務員さんから「支店長がお呼びです」と言われ、支店長室にやってきた。
「拓哉、美鈴。お前達は、ダンジョンの何階まで行ったんだ?」支店長が聞いてくる。
僕は「地下3階の湖のところ迄です」と答える。
すると、支店長は「支店で一番ランクの高いお前達が、3階迄しか行っていないと、他の探索者達に示しが付かない。もっと先まで進んで欲しい」と言う。
「当面の目標は、5階のフロアボスを倒すと、その先にある岩の扉が開く。扉を通り抜けると、地下6階に繋がる階段があり、階段を進んで行くと、石造りの部屋がある。その部屋の中にある移転石に触れること。そうすれば、一瞬で地下1階の移転石の所まで戻ってこれる。だから、なるべく早く地下5階と6階の間にある移転石の所まで行って欲しい」支店長は、そう言った。
僕は「無理しない様に、自分達のペースで進んでみたいと思います」と答えて、隣の座る美鈴さんを見る。
すると美鈴さんは「拓哉さんが行くなら私も一緒に行きます!」そう言った。
まだ、夏休みも始まったばかりだから、のんびり行けば良い。
あくまでも支店長からのお願いであって、義務じゃないし。
支店長室から出た僕達は、当初の目的通り、天空の城を目指して、ダンジョンの中に足を踏み入れた。
前回と同様に、アネモネの風魔法で、雲の上に登って行く。
雲の上に到着して、美鈴さんがスノーを召喚する。
無事にスノーも合流して、僕達は城に向かって歩く。
城に到着した僕達は、上位精霊に会う為、謁見の間に向かう。
支店長から、魔物を討伐してくれた、お礼を言って欲しいと頼まれていたから、頼まれ事を先に片付ける。
それと、城内に部屋をもらったお礼をもう一度言おうと、美鈴さんと話していたからだ。
風の上位精霊は、自分達の為に魔物を倒したのであって、人間の為じゃない。
だから、気にする必要は無いと言っていた。
それから、保護している妖精に危害を加えるものには容赦しないとも。
僕達は、城内の自分の部屋に行く。
僕は地上から持ってきた、カップ麺を棚にしまったり、トイレにトイレットペーパーをセットしたり、何時来ても困らない様に準備した。
美鈴さんは、汗をかいたから、シャワーを浴びると言って、自分の部屋に行った。
バスタオルも持って来たそうだ。
流石、準備が良い。
僕は部屋のバルコニーに出て、外を眺める。
草原の草が、風に揺れていた。




