高杉君は、ズボンを買いに行く。
僕が廊下に出て、出口に向かって歩いて行くと、待合室に工藤がいた。
ズボンの左右のお尻部分に穴が開いて、隙間から僕の大切なお尻が見えてしまう。
仕方無く、手の平をお尻にくっ付けて歩く。
不味いぞ。
このままでは、家に帰れない。
僕が探索者をしている事がバレてしまう。
僕は工藤を伴って、武器や防具を売っているショップに向かう。
前回、行った時にズボンを売っていたのを思い出した。
ショップに行くと、僕に余計な意見を言った、あのジジイがいた。
僕は無視して、ズボンが陳列されている場所に向かう。
一番良い場所に陳列されていた商品を見てビックリだ!
ズボン1着35万円だと!
ボリ過ぎじゃないのか?
やはり、あのジジイは馬鹿だな。
僕の目に狂いは無い!
僕がそう思っていると、ジジイが口を出してきた。
「それは、虫系の魔物からドロップする貴重な糸を使い、職人が真心込めて作った一点物だ。糸に物理耐性が付与されている」なに?物理耐性だと。
僕は、POPを見る。
すると、ジジイが言ったのと、同じ説明が書いてあった。
これは良い物じゃないか?
僕はジジイは信じないが、POPは信じる。
口では何とでも言える。
トラブルになっても、言った、言わないで、らちがあかない。
でもPOPなら他に見ている人がいるハズだし、証拠が残っている。
パンツも、物理耐性付きのが売っていた。
パンツ1枚5万円。
このパンツとズボンを履けば、僕の大切なお尻の安全が守られる!
これは買いだな。
やはり、資金力が物を言う。
白石の様な貧乏人には、買うことは不可だ。
僕は、ズボンとパンツを購入して、試着室で履き替える。
穴が開いたズボンとパンツは、処分すれば良い。
僕の家のクローゼットには、沢山の洋服が入っているから、ズボン1枚くらい入れ替わっても、誰も気付かない。
僕はお洒落にも手を抜かない男だ!
僕と工藤は2階の食堂にやってきた。
工藤が倒した角ウサギの魔石は、工藤にやった。
1つ800円だったらしい。
僕は、自販機で缶コーヒーを買い、椅子に座り、ダンジョンマップを見ながら、今後の予定を考える。
僕も工藤も動きが鈍い。
動きが早い角ウサギとは、相性が悪すぎる。
ダンジョンマップで地下4階を見ると、森林地帯と書いてある。
そして、出てくる魔物は、ゴブリンらしい。
ゴブリンは身長1m50cmくらいで、武器はこん棒だ。
これだ!
僕はピンときたね!
ゴブリンは、僕のレベルアップの為にいる魔物だと。
工藤がお盆を持ってやってくる。
お盆の上には、プリンが載っていた。
お前は、どんだけプリン好きなんだよ!
まあ、今はプリンはどうでも良い。
僕は工藤に声を掛ける。
「明日は休んで、明後日からゴブリン狩りだ!」
工藤は「分かった」と言った。
僕はゴブリン狩りが、楽しみで仕方ない。
でも、休息は必要だ。
特に今日は、ゆっくり風呂に入って、お尻で受けた精神力なショックを癒さなければ。




