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高杉君VS角ウサギ

僕達は、ダンジョンゲートを抜けて、地下1階の草原の一本道を歩く。

相変わらず、工藤が装備している甲冑の擦れる音がうるさい。

僕は、右肩に斧を担いで歩く。

一瞬も気を抜けない。

気を抜くと、斧の重さでふらついてしまうからだ。

でも、それも今日までだ。

角ウサギを狩って、狩って、狩りまくり、僕はレベルアップするから、何の問題も無い!

地下2階の赤茶けた大地を抜けて、やっと地下3階にたどり着いた。

僕はダンジョンマップを見て、湖から遠く、開けた場所を確認する。

良さそうな場所が3ヵ所あった。

しかし、その内の2ヵ所は、既に他のパーティーが角ウサギ狩りをしていた。

そこで僕達は、残りの1ヵ所に向かう。

実は、この場所は、元々狙っていた場所だ。

何故なら、3階入口から一番近い場所だからだ。

僕も工藤も、装備が重いから、あまり歩きたくない。

希望通りの場所を確保出来てラッキーだ!

それに今日は、学校以外で中森さんも見られた。

ラッキーディーではないだろうか?

うん。

そうに違いない。


僕は角ウサギ狩りを始める事にする。

作戦は、工藤が右手で、左手に持つ盾を叩き、角ウサギの注意をひく。

次に、挑発する。

すると、角ウサギは、工藤に向かって突進。

ジャンプして、頭にある角で工藤に攻撃を仕掛ける。

しかし、工藤は鉄壁の防御力を誇るから、角ウサギは盾や甲冑に跳ね返される。

そこを僕の斧で一撃だ!

うん。

完璧な作戦だ。

自分で、自分を褒めてやりたい。

「工藤!予定通りに角ウサギを挑発してくれ!」僕が言うと、工藤は「分かった!」と言って、盾を叩き始める。

すると、僕の計画通りに、角ウサギが周りから集まり始める。

いいぞ!早く工藤に攻撃を仕掛けろ!僕は、わくわくしながら、工藤を見る。

角ウサギ達が一斉に飛び掛かる。


痛い!僕の左側のお尻に激痛が走る。

僕は慌ててお尻を見ると、左のお尻にウサギの角が突き刺さっていた。

そして、お尻に角が突き刺さったまま、暴れている。

い…痛い…暴れるな!僕は重い斧を地面に置き、左手で角を握り、お尻から角を引き抜く。

すると、角ウサギは凄く暴れるから、手が滑り、逃げられてしまった。

チキショー!

工藤の近くにいた、僕まで攻撃してくるとは、予定外だ。

僕は、お尻にポーションをかけて欲しいと工藤に言うが、角ウサギ達が、この場を離れず、しつこく何度も攻撃してくる。

僕は工藤に「大盾を横にして、ぐるぐる回れと指示を出す」工藤は、僕の指示通りに回る。

すると、角ウサギは、僕達から離れて行った。

僕は工藤に「お尻を負傷した。だからポーションをかけてくれ!」と頼む。

僕は、地面にうつ伏せになり、ズボンに出来た穴からポーションをかけてもらった。

僕は左手でお尻を触る。

うん、元どおりの綺麗なお尻だ。

僕は一安心する。

しかし、工藤だけじゃなく、僕にまで攻撃を仕掛けてくるなんて、何て卑怯なんだ!

駄目だ。

僕は軽装備で、胴体等の重要な部分しか、防具で守られていない。

お尻はノーガードだ。

僕達は、動きが鈍い。

角ウサギのスピードに、全く対応出来ない。

これ以上は無理だな。

相性が悪すぎる。

僕は工藤に撤退を告げる。

僕は工藤を盾にする為、工藤に先頭を歩いてもらい、僕は工藤の後ろを歩く。

相変わらず工藤の甲冑がうるさい。

すると、またもや、角ウサギ達が集まり出す。

僕は、凄く嫌な予感がした。

案の定、角ウサギが僕の後ろから、攻撃を仕掛けて来て…角が僕の右のお尻に突き刺さる…痛い!

違うだろう!

何で僕を攻撃するんだ。

僕じゃなく、工藤を攻撃しろよ!

またしても、僕の大切なお尻に穴があいた。

角ウサギは、僕のお尻に角が突き刺さったまま暴れる。

痛い!

僕は工藤を呼ぶ。

工藤は、僕の後ろに回り込み、両手で角ウサギを捕まえた。

そして、角ウサギを両手で持ったまま、地面に押さえ付け、足で踏み潰す。

角ウサギは、光の粒子になって消えて行く。

地面には、角ウサギの魔石が残った。

僕は、斧を杖みたいに地面につけながら、右足を引きずって歩く。

今度は、僕が先頭を歩き、僕のすぐ後ろを工藤が歩く。

良く考えれば、僕の正面には防具がある。

でもお尻の部分には、防具が無い。

だから、僕の後ろを工藤に守ってもらえば良かったのだ。

僕は、予定外の状況が起こっても、柔軟に対応出来る男だ。

僕は痛い右のお尻を庇いながら歩き、何とかダンジョンゲート近くまでたどり着いた。

「君!大丈夫か!」ゲートの職員が走ってくる。

遅いんだよ!もっと早く助けに来いよ!

「お尻に怪我をしている。ストレッチャー持って来い!」職員が叫ぶ。

僕はストレッチャーに、うつ伏せに寝かされ、併設されている診療所に送られた。


診療所に着いた僕は、看護師さんに、靴とズボン・パンツを下ろされた。

僕の大切なお尻を女子に見られてしまった。

消毒液をかけながら、医師が説明を始める。

探索者カードは、マイナンバーと連携していて、保険証としても使える。

麻酔をして、お尻を縫う方法と、保険の適応外だが、ポーションをかけて治す方法だ。

僕は他人に見せないお尻のケアにも、決して手を抜かない男だ!

だから、答えはひとつ!

「ポーションでお願いします」

医師は、僕のお尻にポーションをかけた。

僕は右手でお尻を触る。

うん。

何時も通り、スベスベだ。

次に振り返って、お尻を見る。

うん。

完全に治ってる。

僕は、パンツとズボン。

それから靴を履き、処置室から廊下に出た。



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― 新着の感想 ―
処女喪失にならなくて良かったね、既存の穴と心の傷はポーションでも消せないゾ☆
ツノウサのカンチョー(笑)
かませに成れないギャグキャラが定着してきたねww
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