拓哉と美鈴は、地上に降りる。
僕達は、この見晴らしが良くて、広い部屋でお弁当を食べる事にする。
僕の部屋にある、楕円形のテーブルの上にお弁当を置いて、二人並んで椅子に座る。
僕の大好物の鳥の竜田揚げが入っていた。
お母さんから料理を習っている美鈴さんが、朝早く起きて作ってくれたそうだ。
愛情たっぷりで、とても美味しい!
うふふ。
お弁当を食べ終わり、僕達は謁見の間に向かう。
上位精霊にお礼を言って、僕達は一度地上に戻ると告げる。
あの宝箱は、一度開けると、二度と現れないタイプみたいだった。
二度と現れないタイプと、何度も現れるタイプがあると、支店長が言っていた。
それから、魔物も現れていなかった。
宝箱が消滅したから、また、魔物が現れるんじゃないか?と心配していたけど、取り敢えずは大丈夫みたいだ。
まあ、もし魔物が現れても、風精霊達が殲滅するはずだ。
僕は、宝箱の事を考える。
今日、ゲットした装備一式は、多分、美鈴さんが使っている、水の装備とお揃いだ。
正式に鑑定をしてもらった訳じゃないけど。
美鈴さんの装備はSランクだった。
地下3階には、いくつもの湖がある。
しかも、どの湖にも、獰猛な魚の魔物がいる。
その中で、湖の中にある宝箱を見つけて、手に入れるのは、困難だ。
この天空の城の場合も同じだ。
見晴らしが良い草原にいる陸軍と、天空の城に駐屯している空軍だと、圧倒的に空軍の方が有利だ。
それに、空軍の攻撃を避けながら、天空の城に登り、城を制圧して、ボスを倒さないと、宝を手に出来ない。
やはり、人間が勝手に決めたダンジョンランクではなく、宝を取得する為の難易度によって、宝の中身が決まるのではないだろうか?
そんな気がする。
支店長に報告する時、僕の仮説を話してみよう。
判断するのは支店長だし。
僕達は、城を出て、来た道を戻る。
雲の端っこにたどり着き、僕は左手を美鈴さんの腰にまわし、美鈴さんを抱き締める。
そして、僕達は雲からジャンプ!
僕達の体がゆっくりと下に向かって降りて行く。
そして、地面に到着した美鈴さんは、雲の上に残っているスノーを召喚する。
スノーも無事に合流し、僕達はダンジョン出口に向かった。




