拓哉と美鈴は天空の城を見つける。
僕達の体がゆっくりと上に昇って行く。
どんどん昇って行く。
そして、雲の上に到着すると…そこには、お城があった!
天空の城と言うのだろうか?
雲と同じで、真っ白な西洋風のお城だった。
僕の横で美鈴さんが「綺麗!素敵!」と言う。
本当に綺麗で見事な城だ。
城に向かう前に、美鈴さんが召喚魔法でスノーを呼び出す。
魔方陣から出てきたスノーは、美鈴さんに体をすりすりと擦り付ける。
暫くの間、美鈴さんがスノーをもふる。
スノーの機嫌が良くなったのを確認してから、僕達はお城に向かって歩き出した。
雲の地面?は、ゴムの様に弾力があり、ちょっと歩き難い。
アネモネに先導して貰い、ゆっくり歩いて行く。
暫く歩くと、城の門に辿り着いた。
門には、風の下位精霊がいた。
どうやら、門番みたいだ。
風精霊の城なのだろうか?
門番をしている風の精霊が、風魔法で門を開けてくれた。
どうやら歓迎してくれているみたいだ。
隣にいる美鈴さんが「自動扉だ!凄い!」と言う。
僕は精霊が見えない美鈴さんに、風の精霊が、風魔法で開けてくれたと説明する。
すると、美鈴さんは「精霊さん、ありがとう!」と、お礼を言う。
精霊さんも嬉しそうだった。
僕達は、先に進む事にする。
更に進むと、城に入る大きな扉の前に辿り着いた。
この大きな扉の前にも精霊がいて、風魔法で扉を開けてくれた。
美鈴さんが「精霊さん、ありがとう」とお礼を言う。
僕達は、アネモネの後に続いて城内を進んで行く。
床には、赤いカーペットが敷かれている。
凄くふかふかだ。
暫く歩くと、また、大きな扉の前に辿り着く。
この扉の前には、風の中位精霊がいた。
アネモネと何かを話しているみたいだ。
アネモネとの話がついたのか?風の中位精霊が、風魔法で大きな扉を開けてくれた。
僕達は、大きな扉の中に入って行った。
扉の先は、大広間になっていて、一番奥に3段の階段がある。
謁見の間と言うのかな?
そして、その高くなっている場所には、玉座があり、玉座には風の上位精霊が座っていた。
上位精霊の左右には、風の中位精霊がいる。
そして、この広い空間には、たくさんの風の妖精達が、ふわふわと浮かんでいた。
妖精が進化して精霊になる。
まるで、風の上位精霊が、妖精達を保護しているみたいだ。
雛を守る親鳥みたいなものだろうか?
ひょっとすると、地下3階の湖も同様かも知れない。
水の上位精霊が守る、あの湖の中には、水の妖精達がいて、その妖精達を上位精霊が保護している?
妖精達を保護する場所を確保する為に、湖の中にいる、魚の魔物を殲滅した?
そう考えると、しっくり来る。
いずれにしても、支店長への報告案件だ。
忘れずに報告しなければ。
後から知れると怒られる。
僕は隣にいて、妖精が見えていない美鈴さんに、状況の説明をする。
普通の人には精霊が見えない。
僕が何も無い空間に向かって、一人言を言っている様に見えてしまう。
僕は、玉座に座る上位精霊に話を聞く事にした。




