拓哉は雲が気になる。
僕達は、何時もの草原にやって来た。
右側の丘を越えた先にある、大きな木の下にレジャーシートを敷く。
スノーが嬉しそうに、走り回る。
やはり、犬?狼?だからか、走るのが好きみたいだ。
走り回って、暫くすると美鈴さんの元に戻ってきて、また、走り出す。
白玉もバッグから出てきて、レジャーシートの上で寝転ぶ。
僕もレジャーシートに座って白玉をもふる。
近くにいるスライムの討伐は、ビオラとルピナスにお願いして、アネモネとフリージアには、付近の警戒を頼む。
ビオラとルピナスは、まだ、下位精霊だから、少しは経験値になるかな?
白玉をもふった僕は、レジャーシートの上に寝転んで、だらだらする。
木の葉の隙間から、雲が見える。
僕は、ふと思う。
あの雲って、どうなっているんだろう?
まったく同じ形のまま、何時も同じ場所にある。
天井があって、そこに雲の絵が書いてあるのだろうか?
…気になる。
僕は風精霊のアネモネに調査を頼んだ。
アネモネは、空に向かって飛んで行った。
この場所は、スライムしかいないから、フリージアがいれば問題ない。
それに、スノーもいる。
美鈴さんが、水筒の中の飲み物をいれてくれた。
今日は、無糖のミルクティーだった。
美鈴さんが、手作りクッキーを出してくれたので、僕は、ミルクティーを飲みながら、クッキーを摘まむ。
「うん。とても美味しいよ!」僕は言う。
すると、美鈴さんは、とても嬉しそうに笑った。
僕は、こんな平和で幸せな時間が永遠に続いて欲しいと思う。
支店長に知られたら「ダンジョンの中で、なにやってるんだ!」と、怒られそうだから、黙っておこう。
おやつを食べ終わった僕は、レジャーシートに寝転びながら、アネモネの帰りを待った。




