高杉君は装備を整える②
試し切りコーナーには、藁人形が置いてある。
僕は担いでいる斧を斜め右から左下に振り下ろす!
遠心力に斧の重さが加わり、凄まじい威力を発揮した!
流石は、僕だな!
初めてで、これほど上手く使えるなんて。
やはり僕は天才だな!
しかし…威力が凄すぎて、地面にめり込んでしまった。
なかなか抜けない。
すると、またジジイが「腰で持つイメージだ。上半身だけじゃなくて、下半身をに力を入れてごらん」とか、聞いてもいないのに、口出ししてきた。
いま、やろうと思ってたんだ!
本当にうるさいジジイだ。
次に僕は防具を買う事にする。
すると、またしても、ジジイが「ダンジョン内は危険だから、全身をカバーする物が良いよ」とか、言ってくる。
僕は無視して、簡易な防具を選ぶ。
お腹などの重要な部分や肩を覆う革の防具だ。
肩に斧を担ぐから、肩の部分に防具がないと、斧の棒の部分が、肩に食い込んで痛い。
それに斧が重くて、これ以上、重量が増すと、動けなくなる。
今でも気を抜くと、重さでよろけてしまう。
ジジイは、もっと高い防具を売りたいんだろうけど、そうはさせない。
僕は1階ロビーに設置されていたATMから引き出しておいた現金で、代金を支払う。
僕は客だ。
客が買うって言ってるんだ。
ジジイは、客から言われた通りにすれば良いんだ。
本当にうるさいジジイだ!




