高杉君は工藤君を探索者に誘う②
僕は休み時間に工藤に会いに行く。
「おい、工藤!僕と一緒に探索者にならないか?これを見ろ」僕は携帯の画面を見せる。
「年間で億を稼ぐ探索者達が大勢いる。工藤は高卒で働く予定だろう。今から探索者として働いていれば、有名なパーティーから声が掛かるかも知れないぞ!それに、もし、探索者にならず違う職業につく場合でも、履歴書に探索者経験ありと書ける。就職にも有利になるかも知れない。どうだ?」
すると、工藤は「分かった。俺も探索者になる!」そう言った。
うん。
予定通りだ。
本当にこいつは使い易い。
僕達は、週末に待ち合わせをして、探索者登録に行く事にした。
家で探索者になる話をすると、爺ちゃんから反対されてしまった。
「そんな危険な事をする必要は無い。跡取りのお前にもしもの事があると困る」と。
最大権力者の爺ちゃんに反対されたら、父の説得は不可能だ。
仕方ない。
黙ってやるしか無い。
僕が産まれた時から、爺ちゃんが僕の為に積み立ててきた貯金がある。
僕が高校に入学した時に、爺ちゃんから通帳を渡された。
つまり、渡されたと言う事は、このお金の使い道は、僕が自由に決めて良いと言う事に違いない。
探索者になり、活動するには装備等の出費は付きものだ。
僕が活躍して、お金を稼げば直ぐに取り戻せる。
何の問題もない!
早く探索者になって、活躍したいな。
楽しみで仕方ない。




