高杉君は中森さんが探索者になったと知る。
最近、僕は気になる事がある。
白石のお弁当だ。
何故か?中森さんと全く同じお弁当を持ってきている。
何故だ?
うむ…僕の優秀な頭脳が答えを導き出す。
そうか!白石が貧乏だと中森さんから聞き、中森さんの母が、ボランティアで弁当を恵んでいるに違いない!
流石は将来、僕の妻になる人を育てただけの事はある。
きっと心優しい人に違いない。
まあ、僕は、白石に恵んでやろうだなんて、1ミリも思わないけどな!
お弁当を食べ終わると、中森さんと山田さん。
それと青山と白石の4人で、楽しそうにお喋りしている。
本来なら白石がいる場所は、僕が座るべき場所だ。
カップルが2組で、仲良くお弁当を食べて、そして語り合う。
本当に邪魔なやつだ。
話しがやけに盛り上がっている。
何を話してるんだ?僕は気になり耳を傾ける。
すると、衝撃的な事実を知る。
中森さんが探索者になったと。
将来、僕の妻になる人が怪我でもしたら、どうするんだ!
いったい何を考えてる?
そうか、兄だな。
あのゴリラが誘ったに違いない。
なんて余計な事をするんだ!
更に話を聞いていると、もふもふとか聞こえてくる。
もふもふって何だ?
どうやら中森さんは、ウサギと子犬をテイムしているそうだ。
可愛い彼女らしい。
とてもセンスが良いな!
僕の家の庭は広いから、ウサギ1匹くらい飼っても何の問題もない。
それに、最近は物騒な事件もある。
子犬は番犬に丁度良い。
つまり、彼女がお嫁に来る時、一緒に連れてきても、一切、何の問題もない!
…まてよ!そこで、僕の優秀な頭脳がアイデアを導き出す。
来年、兄である、あのゴリラが卒業する。
すると、職業として、毎日の様にダンジョンに行くハズだ。
そうなると、彼女とのレベル差が開き、彼女は付いて行けなくなる。
そのタイミングで僕がパーティーに誘う。
彼女が僕のパーティーに加入すれば、自然な形で彼女の連絡先を手に入れる事が出来るんじゃないか?
パーティーメンバーなら、緊急に連絡を取る事だってある。
それに、中学の時を思い出せ!
進級の時に、彼女と別のクラスになり、話す事もなくなってしまったではないか。
でも、同じパーティーなら話しは別だ。
たとえ違うクラスになったとしても、パーティーメンバーとして、プライベートで会う事も出来る。
よし、僕も探索者になって、ゴリラが卒業のタイミングで、彼女を僕のパーティーに誘うぞ!
今日の僕は、冴えている!
楽しみになってきた。




