拓哉は水の装備をゲットする①
週末になった。
今日は、美鈴さんの家に山田美里さんが遊びに来る。
スノーと白玉を山田さんに紹介するそうだ。
そこで僕は、水の精霊から頼まれていた、魔石回収のため、1人でダンジョン地下3階に行く事にする。
中森家で朝食をご馳走になり、健太さんの車に乗せてもらう。
1階のロビーで健太さん達と別れた僕は、ダンジョン入口を通り抜け、精霊達とのんびり進む。
地下3階に入ると、僕に近づく角ウサギの魔物は、精霊達が倒してくれる。
僕は、魔石を回収しながら、水精霊が住む湖に向かう。
湖に到着!
ルピナスに、水の上位精霊を呼んで欲しいとお願いすると、ルピナスは湖の中に入って行く。
暫くして、水の上位精霊が現れる。
僕は、何か探索者達が問題を起こしていないか?質問する。
何も問題は無いとの返事で、ホッと胸を撫で下ろす。
上位精霊を怒らせたら、恐らく僕でも対応出来ない。
次に魔石の回収をしに来たと言うと、凄く喜んでくれた。
湖から間欠泉の様に魔石が湧き上がってくる。
僕は魔石をリュックサックに詰め込んだ。
リュックサックが魔石で一杯になる。
僕はリュックサックを背負い、お礼を言って帰ろうとすると、水の上位精霊が、何かを思い出した様で、後ろについてこいと言う。
上位精霊になると、僕と普通に会話が出来る。
うちの精霊達も、上位精霊になれば、今よりコミニュケーションが取れる様になる。
でも、無理して上位に進化させるつもりはない。
無理しても、良い結果が出るとは限らない。
今まで通り、のんびり探索を続けて、結果として進化すればそれで良い。
僕は水の上位精霊の後ろをついて行く。
下の階層へ続く通路を横切り、右側へ進む。
どんどん進んで行く。
暫く進むと水の上位精霊が、湖の上で止まる。
すると、湖の水が真っ二つに別れた!
湖の中に、一本道が現れる。
「凄い!」僕は一人言を言う。
道の先に宝箱が見える!!
僕は一本道を歩き出す。
左右の水は、水の壁になっていて、まるで水族館に居るみたいだ。
魚の魔物が僕に突撃してくるが、見えない水の壁に当たり、跳ね返される。
僕はそのまま進み、宝箱の前に辿り着く。
そして僕は宝箱を開ける。
宝箱の中には、装備品一式が入っていた。
僕が装備品一式を取り出すと、宝箱は光の粒子になって消えた。
僕は来た道を引き返し、陸に上がって装備品を確認する。
ブーツ・長袖のシャツ・長ズボン・胸当て・パーカー・手袋。
それと短剣だ。
全部で7点セット。
水色で白いラインが入った、とても綺麗な装備品だった。
ファッションセンスのない、僕が見ても素敵だと思う。
僕は水の上位精霊にお礼を言って、出口に向かって歩き出す。
買取カウンターで、お金を払えば鑑定してもらえる。
きっと良い物だ!
僕は良い鑑定結果が出る事を願いながら、ウキウキ気分で歩く。
そして、僕は思い出す。
支店長に報告が必要だと。
鑑定を依頼して、良い物だった場合、必ず支店長に報告が行く。
鑑定を依頼する時に、探索者カードを提示するから絶対にバレる。
あと、水の上位精霊から、問題は発生していないと言われた事も報告対象だった。
鑑定が終わったら、支店長に報告に行こう。
僕は、出口に向かってゆっくり歩く。




