私の運命の人⑤
私は、白石君と美里ちゃん、青山君の4人で、電車に乗って学校に行く。
昼休みになり、隣のクラスの青山君も合流して、4人でお喋りをしながら、お弁当を食べる。
すると、高杉君がお弁当のおかずをお裾分けとか言ってくる。
仕事をしながら、私と兄を育ててくれている母が、朝早く起きて作ってくれた、愛情たっぷりのお弁当を、馬鹿にしているのだろうか?
私は、おかずが欲しいなんて、1度も言った事が無い。
私の事は、ほっといて欲しい。
下校の時刻になり、私達は4人で電車に乗る。
私は電車の中で「拓哉さん」と呼んでしまった!
それを聞き逃す美里ちゃんでは無い。
「ふ~ん。へ~。」とか言って、私の顔を見る。
私は、思わず顔を背ける。
でも、美里ちゃんは、それ以上は追求して来なかった。
美里ちゃんは空気が読める子だ。
美里ちゃんは、青山君と付き合う時に、私に報告してくれた。
でも、私は、美里ちゃんに報告していなかった。
ヤバい。
今夜にでも電話で報告しなくては…
拓哉さんは、母の料理を「美味しい。美味しい」と言って、いつも食べる。
そこで私は、母から料理を習う事にする。
母の料理レシピをメモするため、筆記具を用意する。
計量カップなども、すべて用意し準備万端。
なのに母は、目分量で調味料を入れてしまう。
無意識な行動みたいだ。
私は母に文句を言う。
母は「ごめん」と言って舌を出す。
「も~お母さんたら」台所に2人の笑い声が響いた。




