私の運命の人③
自転車に乗って白石君の家に行く。
お爺ちゃんの家だったそうだ。
小さな畑があり、茄子やピーマンが3株ずつと、ミニトマトが植わっていた。
その横には、ジャガイモの種芋が植えてあるそうだ。
「商売する訳じゃ無いし、食費の足しになれば」と思い植えたと言う。
家は2階建てで「掃除が大変そう」と私が言うと「風精霊の風魔法で、埃を外に吹き飛ばすから、自分で掃除をした事が無い」と言う。
洗濯は?と聞くと「光精霊のクリーンと言う魔法で、綺麗になる。だから水も洗剤も使わないから、エコなんだ」と言って笑った。
白石君の笑顔を見ていると、胸が高鳴る。
このままでは、赤くなった顔を見られてしまう。
そこで、私は「家の裏山に出来たダンジョンを見せて欲しい」とお願いする。
彼の後ろを深呼吸しながら歩けば大丈夫かな?
私は、裏山ダンジョンに足を踏み入れる。
すると機械的な女性の声が頭の中に響く。
《テイマーのJOBが付与されました》
いきなり頭の中に声が響いて、私は驚く。
白石君に話すと、ちょうど良い物があると言い、卵を2個渡された。
テイマーしか孵せない卵で、生まれたら名前を付けて契約するらしい。
家に帰り、寝る時に布団の中に卵を入れて、一緒に寝る事にする。
何かが、私の頬を撫でる。
柔らかくてふわふわ?
だんだん私の意識が覚醒してゆき、私はゆっくりと目を開ける。
…何か、白くてもふもふ?した物体が私の枕元に。
私は驚き、ベッドから飛び降りる。
よく見ると、真っ白いウサギ?でも、頭の先に角が生えていて、額に宝石みたいな物がついている。
もう1匹も真っ白で、とても綺麗な毛並みの子犬だった。
もう、生まれたんだ!
私は白石君が「名前を付けて契約する」と言っていた事を思い出す。
真っ白なウサギには白玉。
子犬にはスノーと名付けた。
2匹とも名前を気に入ってくれたみたいで、2匹との間にパスみたいな物が繋がる感じがした。
パジャマから着替えた私は、2匹を抱えて1階に降りる。
台所に居た母に2匹を見せて「私はテイマーのJOBを持っていて、2匹をテイムした」と説明し「私がこの子達の面倒を見るから、家において欲しい」とお願いすると、母は承諾してくれた。
そして、母は2匹を撫で始める。
2匹とも凄くおとなしい。
母が2匹を撫でている間に、私は白石君に電話をして、大至急、家に来て欲しいと伝えた。
白石君が到着し、その後、兄が起きてきて、白玉とスノーを紹介する。
兄から探索者協会に登録する事をすすめられた私は、探索者になる決心をした。
兄の車で探索者協会に向かう。
白石君は、1人で探索者の仕事をしていると言う。
そこで「私とパーティーを組んで欲しい」とお願いすると、白石君はOKしてくれた。
やったー!
私は凄く嬉しかった。




