私の運命の人②
ゴールデンウィークの休みが始まった。
母の仕事が休みの日に、母と2人でショッピングセンターに行く。
あれこれとお喋りをしながらショッピングを楽しんで、それから、フードコートで昼食を食べた。
家に戻って、2人でお茶を飲んでいると、母の携帯が鳴った。
探索者協会からで、兄が重傷を負ったと…
母と私は、急いで探索者協会の支店に併設されている、診療所に向かう。
でも、そこにお兄ちゃんの姿は無い。
私は兄の携帯に電話を掛ける。
すると兄は、2階の食堂にいると言う。
重傷を負ったんじゃないの?
私と母は、エスカレーターを掛け上がった。
すると、そこには、何時も通りの姿をした兄がいた。
パーティーメンバーに囲まれて、みんなで話をしている。
そこにもう1人。
白石君だった。
何故?白石君がいるの?
兄の話では、白石君が兄の怪我を治してくれたと言う。
白石君は精霊使いで、契約している精霊の力で、兄やパーティーメンバーの怪我を治してくれたそうだ。
「白石君ありがとう!」
兄は、白石君の事をとても気に入ってる様だった。
父を亡くしている事や、妹がいる事。
ダンジョンで稼いだお金の一部を実家に仕送りしようとしている事。
まるで、自分と重ね合わせている様だった。
そして、兄が夕食に誘う。
白石君が我が家で夕食を食べる事になり、母も奮発し、その日の夕食は、久しぶりにすき焼きを食べた。
白石君が帰り、母と夕食の後片付けをしていると、母からいろいろ質問された。
母は、1人暮らしをしている白石君の事が心配みたいだった。
私が、白石君は、学校での昼食は、「何時もパンと飲み物だけだ」と言うと「栄養のバランスが大切だ」と言い、家で家庭菜園をしているらしいと話すと「様子を見てくる様に」と言われた。
そして、私は白石君の家に様子を見に行く事にした。




