支店長は怒る。
俺が何時も通りに仕事をしていると、経理担当者から今月の決算見込みが届く。
俺はメールを開き内容を確認する。
赤字だと?
おかしい。
何故だ?
売上を見る。
大幅に増えている。
俺は詳細を確認する。
拓哉と美鈴だ。
あいつらは、スライムや魚の魔物等の小さな魔石が多い。
しかし数が多い。
支店の売上に貢献しているのが分かる。
次に支出を見る。
物凄い金額だ。
何だ?これは?どうなってる。
俺の知らない多額の費用が計上されている。
詳細を確認する。
すると、本部から派遣されてきた神官達の派遣費用のすべてが、支店の経費で計上されていた。
交通費や日当、宿泊費。
それから貴重な魔力ポーションの経費など。
俺は経理担当者を呼び、話を聞くと「常務から、神官を派遣する約束はしたが、費用を負担するとは言っていない。だから経費を支店に付け替えた」と言われたと。
くそー!やられた!
俺は経理担当者が退出したのを確認する。
大きく息を吸う。
そして、叫ぶ。
あのやろー!!
赤字決算では、支店長会議で営業部長から追及される。
しかし、営業部長に常務の悪口は言えない。
くそー!
ふざけやがって…。
魔法の杖とリッチの魔石をオークションに出す事は決まっている。
これが売れれば、多額の手数料が支店に入る。
数ヶ月後に大幅な黒字が見込めると説明しよう。
それなら、営業部長も追及して来ないだろう。
俺は息を吸う。
そして、再び叫ぶ。
あのやろー!!




