支店長は左側の壁を調査する
いよいよ左側の壁の上を調査する。
俺はブーツを履き、皮の鎧を着て、ヘルメットを被る。
メンバーと一緒に地下2階に向かう。
配置していた警備員と挨拶を交わし、足場を登る。
シーフのJOBを持つ男が先頭で、次々に上に登って行く。
壁の上にたどり着いき、調査が始まる。
研究所のスタッフ達が、サボテンみたいな植物の写真を撮ったり、図鑑みたいな物を見ながら、話し合っている。
俺は、この場は研究所のスタッフに任せて、女神像の確認に行く事にする。
シーフの男に探索の指示を出す。
暫くするとシーフの男が戻ってきた。
女神像を見つけたと報告があり、シーフの男を先頭に歩き出す。
岩の裏側に回り込み、細い隙間を横向きに歩く。
開けた場所に出ると、シーフの男が指を指す。
その方向を見ると、岩肌に女神像が彫られていた。
余りの美しさに、スタッフ全員が釘付けだった。
俺が声を掛け、付近の調査が始まる。
女神像の足元には、宝箱は無かった。
おそらく、一度宝を回収すると、もう二度と現れないタイプの宝箱だったんだろう。
暫くして、調査が終わったと報告があり、サボテン以外には、特に目ぼしい物は、見付からなかった。
俺達は来た道を戻る。
そして、研究所のスタッフと合流した。
研究所のスタッフからの説明では、やはり、新種の植物だと言う。
サボテンは、シャベルを使い掘り起こし、根元から1本すべてを回収。
更に、別のサボテンは幹の部分から切断。
樹液の様な物も含めて上の部分だけ回収し、下の部分の切り口が再生するのか?
また、根元から1本すべてを回収したら、その場所はそのままか?それとも、また生えてくるのか?
継続して調べたい事が、たくさんあると言う。
だから、足場をこのまま残して欲しいと言われた。
俺の計画では、この場所の足場を解体し、右側の壁ところに移動。
足場を組み直して、右側の壁の上を調査する事になっている。
本部から派遣されてくる神官の到着日も決まっている。
俺が無理だと言うと、右側とは別に、改めて左側に足場を組んで欲しい。
その費用も、警備員の警備費用も研究所が負担すると言う。
それなら、計画通りに右側の壁の上を調査する事が出来る。
俺は了承した。
支店に戻り、左側の壁に、改めて足場を組む作業を発注する。
何事も無く、左側の壁の調査が終わり、俺は溜め息をつく。
あと数日で神官達が到着する。
到着した翌日から右側の調査が始まる。
無事に終わって欲しいものだ。
俺は、そう思いながら、残りの仕事に取り掛かった。




