ダンジョン地下3階⑤
僕達は、ダンジョンの出入口に到着した。
買い取りカウンターで魔石を換金する。
約50万円もあってビックリだ!
そして、全額をパーティー資金に入れてもらう。
パーティー資金が増えると、中森さんが喜ぶ。
物凄~く、喜ぶ。
何か、買いたいアイテムでもあるのだろうか?
中森さんの笑顔を見ると、僕も嬉しい。
それから、僕達は支店長に会いに行く。
報告するためだ。
受付の人に、支店長に会いたいと言うと「どうぞ」と言って通される。
今度も顔パスだ。
やはり今日は、顔パスディーだった。
僕は確信した!
そして、ドアをノックして部屋に入る。
「どうした?拓哉。何かあったか?」
支店長が聞いてきた。
僕は、今日の出来事を報告する。
「魚の魔物は、餌が無くても釣れました!」
おかしい。
支店長の反応が鈍い。
体調が悪いのだろうか?
最近は、顔色も悪い気がする。
僕は次に魚の魔物がいない湖には、精霊が居たことを話す。
そして、その精霊は、上位種であること。
その精霊から頼まれて、水の下位精霊と契約したこと。
支店長は無言で僕の話を聞いている。
僕は話を続ける。
その精霊が魚の魔物を倒し、湖の底に倒した魔物の魔石が溜まって、邪魔だから持ち帰って欲しいと言われ、持てる分だけ持ち帰ったこと。
そして最後に、近くに来た時は、湖に寄って、魔石の回収をして欲しいと依頼されたこと。
僕の話を聞いた支店長は、暫く考えて込んでいた。
そして、支店長が決断する。
「上位精霊を怒らせる訳には行かない。立ち入り禁止にすることも考えてたが、かえって注目を浴び、興味本位で近づいて、精霊を怒らせる可能性がある。現在、問題が発生していないなら、このまま様子を見る」支店長はそう言った。
「それから拓哉には、定期的に湖に行き、精霊と会い、問題が無いか?確認して欲しい。それと、魔石の回収も担当してもらう。精霊が見えるのは、お前しかいないから、他の人間には出来ない。従って、お前が担当だ!」
こうして僕は、支店長から正式に湖の魔石回収担当に任命されたのであった。
家の裏山ダンジョンは、規模が小さく、消えてしまうかも知れない。
僕は新たな収入源を手に入れた!
やったね!うふふ。
僕が新に契約した精霊に付いては、支店長から報告だけは上げておくと言っていた。
本部は、いまだに精霊の存在を認めてないから、どうせ報告を上げても何も言ってこない。
だから、気にするなと。
支店長に報告が終わり、僕達は2階の食堂に移動した。
2人でサイダーを飲みながら、健太さん達を待つ。
こうして、僕のゴールデンウィークが終わった。




