ダンジョン地下3階①
翌朝、僕は裏山ダンジョンのスライムを討伐し、畑の草むしりをする。
そして、自転車で中森家に向かう。
家に付きチャイムを鳴らす。
今日は、中森さんが出迎えてくれた。
うん。
中森さんは、今日も可愛い。
嫌われるとボッチに逆戻りするから、怖くて言えないけど…
家に上がると、お母さんが白玉をもふもふしていた。
お母さん!分かります!その気持ち!
僕は心の中で同意する。
今日の朝食は、中森さんが作ってくれるみたいだ。
ベーコンエッグが出来上がるタイミングで、健太さんが2階から降りてくる。
朝食を食べ終わり、車で出発。
途中で健太さんのパーティーメンバーを乗せて、ダンジョンに到着する。
健太さん達と別れて、僕達は売店に向かう。
釣竿は家から持ってきたから、針と糸を買う。
ゲートを潜る前に、支店長に会いに行くことにする。
受け付けの人に、支店長に会いたいと言うと「どうぞ」と言って、通してくれた。
今日は顔パスだ。
僕達は支店長の部屋の扉をノックして、部屋に入り、ソファーに座る。
「拓哉。今度は何をしたんだ?」と言ってきた。
いきなり、人をトラブルメーカーみたいに言うとは、失礼にも程がある!
僕がジト目で見つめていると、支店長は咳払いをして「今日は何の用だ?」と、話を変えてきた。
仕方なく、僕は来た目的を話す。
ダンジョン地下3階に行くこと。
湖で魚釣りをすること。
家から竿を持ってきて、売店で魔物の糸と針を買ったことを話す。
そして「エサは何が良いですか?」
支店長に聞く。
支店長は、また、こめかみを押さえている。
そりて、知らないと答える。
支店長でも、すべてを知ってる訳ではない。
僕は納得し、立ち上がろうとしたとき、支店長は言った。
「拓哉。何故、知らないか分かるか?」
僕は首を橫に振る。
「危険なダンジョンで、魚釣りをする人間がいないからだ。分かったか?」
なるほど…つまり僕が、いろいろ試して、その情報を支店長に知らせれば良いのか。
僕は「分かりました」と言って、部屋を出た。