中森さんと初めてのダンジョン②
僕達はダンジョンから出て、魔石を換金する。
何と…24万円を越えていた。
中森さんと相談する。
中森さんは、僕の精霊達の方が、たくさんスライムを倒したから、僕が20万で、自分は残りのお金で良いと言う。
僕はパーティーなんだから、半分づつ分けることを提案する。
2人で話すが、なかなか合意出来ない。
僕はパーティーを組むと、個人ではなく、パーティーとしてお金を預けられることを思い出す。
そして中森さんに提案する。
「各2万円づつ分けて、残りの20万円は、2人のパーティー資金にしない?将来の2人の資金に」
将来、何があるか分からない。
パーティーで必要な物を買うときに、お金が無いと困る。
「どうかな?」
中森さんは、何故か?下を向き、顔が真っ赤だ。
「…将来の…2人資金…」
中森さんが、何か言ってるけど、声が小さく聞き取れない。
「中森さん」
僕が呼ぶと、中森さんが顔を上げる。
「そうだよね。将来、お金が必要になるもんね。2人でお金を貯めようね!」
中森さんも賛成したので、20万円をパーティー資金に預けて、残りは現金で貰い、2人で分けた。
健太さん達のパーティーとロビーで合流した。
健太さん達は、装備を脱いで、ロッカーに預けるから時間がかかる。
皆で車に乗り、家に向かう。
「拓哉。明日はどうするんだ?」
車を運転しながら、健太さんが聞いてくる。
ゴールデンウィークも明日で終わり。
明後日から、また、学校だ。
でも、僕は予定が何も入ってない。
そこで閃く。
ダンジョンの地下2階までしか行ってないから、明日は地下3階に行こう!
健太さんに地下3階に行くと答える。
すると、健太さんのパーティーメンバーの人が、地下3階は湖が何個もあって、魚の魔物がいること。
そして、湖の1つだけが、何故か?全く魔物が発生せず、謎だと教えてくれた。
それから、陸には角ウサギと言う、ウサギの魔物がいるそうだ。
気性が荒く、俊敏で、頭にある角で攻撃してくると教えてくれた。
僕は、釣りをすることに決める。
虫系の魔物が多く湧くダンジョンがあり、糸がドロップするらしく、その糸を使った方が良いとアドバイスをもらった。
そんな話をしていると、中森さんも一緒に行くと言う。
「パーティーなんだから、一緒に行くのが当たり前だよ。それに…資金を貯めないといけないし…」
何故か?顔が赤い。
でも、それは聞いてはいけない気がする。
うん。
スルーだ。
健太さんが「明日も乗せて行ってやるから、家に来い。ついでに朝食も食ってけ」
と言われ、僕は「ありがとうございます」とお礼を言った。