中森さんのJOBはテイマーだった③
途中で、健太さんのパーティーメンバーを車に乗せて、車がダンジョンに到着した。
健太さん達は、このままダンジョンに潜るそうだ。
ゴールデンウィーク中の高校が休みの間に、出来るだけ稼いでおきたいそうだ。
僕と中森さんは、2人で受け付けに行く。
「今日は、どの様なご用件ですか?」と受け付けの人が聞いてくる。
「彼女の探索者登録と、彼女がテイムしている獣魔登録。それと僕達のパーティー登録をお願いします」
僕は答える。
「承知しました。」
そう言って、受け付けの人が手続きをしてくれる。
「パーティーの名前は何ですか?」
受け付けの人に言われ、考えていなかったことを思い出す。
「どうする?」
僕は中森さんに聞く。
中森さんは、暫く考えてから「サンライズ」なんてどうかな?と言う。
「いいね!」
僕は答える。
そして、僕達のパーティー名はサンライズに決定した。
中森さんが契約した、スノーと白玉の能力を確認するため、僕達は1階にある大草原に向かおうとすると、事務員さんに呼び止められた。
「支店長がお呼びです」
何だろう?
僕は、中森さんを連れて支店長室に入り、2人でソファーに座る。
「今日は2人か?」
支店長に聞かれ、僕は彼女とパーティーを組んだと説明する。
「君は健太の妹か。無理だけはするなよ」
支店長はそう言った。
「ところで、今日呼び出したのは、拓哉の探索者ランクのことだ。リッチを倒したやつをいつまでもFランクのままにしておけない。本部からAランクにする許可を取ってある」
支店長が言う。
僕は目立ちたくないと伝えるが、支店長は納得しない。
話し合いの結果、健太さん達と同じDランクで決着した。
支店長は不服みたいだったが…
「ところで、その仔犬は何だ?」
支店長が聞いてくる。
僕は支店長から、何かあったら、必ず報告しろと言われていたことを思い出す。
この場で報告を終わらせよう。
支店長は、僕が卵を持っていることを知ってる。
僕は、支店長に説明する。
彼女がテイマーのJOBを持っていること。
僕が持っていた卵を彼女に預けたこと。
そして、卵が孵って獣魔が産まれ、彼女が名前を付けてテイムしたこと。
支店長は「綺麗な毛並みだ。こんな綺麗な毛並みは見たことが無い」
そう言った。
中森さんも嬉しそうだ。
「この子は、人の言葉が分かるみたいなんです!」
中森さんが自慢する。
すると支店長の眉間にシワが寄る。
「ちょっと写真を撮っても良いか?」
支店長が言う。
中森さんが了承し、支店長は写真を撮る。
そして、暫くパソコンを操作。
「ひょっとして、その仔犬は体が大きくなったりしないか?」
支店長が聞いてくる。
「どうなんでしょう?スノーは、大きくなったり出来るの?」
中森さんが言うと、スノーは「ワン」と鳴き、みるみるうちに巨大な犬になった。
支店長は、また、こめかみを押さえている。
僕は、心の中でフリージアに尋ねる。
支店長の頭痛を治せる?
するとフリージアは首を橫に振った。
フリージアでも治せないのか…
すると、フリージアは僕を叩く。
フリージアはご機嫌斜めだ。
僕は、心の中で謝る。
フリージアは、首を縦に振った。
とうやら許してくれたみたいだ。




