中森さんのJOBはテイマーだった①
支店長の部屋を出た僕は、健太さんにメールを入れる。
ダンジョンの中は、電波が入らないけど、ダンジョンから出たら、メールチェックをするから、先に帰るようならメールを入れておいてくれと、言われていたからだ。
そして僕は、電車とバスを乗り継いで、中森さんの家に向かう。
朝、中森さんの家まで自転車で行って、そこから健太さんの車でダンジョンに行ったから、僕の自転車は中森さん家に停めてある。
中森さんの家に着くと、お母さんの軽自動車が駐車場に停めてあった。
今日は、中森さんとお母さんの2人で、ショッピングモールでお買い物と言っていた。
同じ洋服を着て毎日学校に行けないから、洋服を買いに行くと。
黙って帰る訳にはいかないから、僕はチャイムを鳴らす。
すると、お母さんが出てきて、お茶を飲んで行けと家の中に通される。
中森さんも合流し、3人でのんびりお茶を飲む。
すると、中森さんが僕に話し掛けてくる。
「白石君、この後の予定は?」
僕は、何の予定も無いと答える。
すると、中森さんが「じゃあ、これから私も一緒に白石君の家に行っても良い?」
我が家に美女が来たいと言ってる。
別に来ても良いけど、古い家と畑とダンジョンしか無いと言うと、それでも遊びに来ると言う。
我が家に美女が来ることになってしまった。
2人で自転車に乗って我が家へ向かう。
「へぇー!ここが白石君の家なんだ~」
2人並んで、縁側でお茶を飲む。
中森さんがダンジョンを見たいと言うので、裏山にあるダンジョンに向かう。
朝スライムを討伐したから、スライムはいない。
中森さんが、ダンジョンの中に足を踏み入れる。
すると、急に立ち止まって僕の方に振り返る。
「私、テイマーのJOBを授かったみたい」
縁側に戻り2人並んで座る。
僕は良いことを思い付く。
リュックサックから、卵を2個取り出して、中森さんに渡す。
「何に?この卵。随分大きいけど…」
僕は魔獣の卵だと説明する。
さっき、支店長から聞いたから、説明もバッチリだ!
「テイマーしか孵せない卵で、魔力を与えると孵るらしいと。何が生まれるかはランダムで、生まれたら名前を付けて契約する」支店長から聞いた通りに説明した。
「でも、貰って良いの?」
個人売買は禁止されているから、お金とか貰うと僕が困る。
あげるから、育ててみて。
僕は精霊使いのJOBだから、僕には育てられないし、契約も出来ないと言って、中森さんに押し付ける事に成功。
うふふ。
昨日、夕食をご馳走になったし、健太さんにダンジョンまで車に乗せて行ってもらったし、そして、中森さんはボッチの僕に話し掛けてくれたから、少しは恩返し出来たかな?
中森さんは、自転車のカゴに卵を2個入れて帰って行った。
翌朝、裏山ダンジョンのスライム討伐をして、朝食を食べようか?と思っていると電話が鳴った。
中森さんからだ。
何かあったのかな?
僕は電話に出る。
僕は中森さんと連絡先を交換したのだ、やったね!
「白石君、大変な事が起こったから、大至急、家に来て!」
中森さんは、そう言って、とても慌てていた。
僕は、大急ぎで中森さんの家に向かう。
中森さんの家に着き、家に入る。
すると中森さんが、白くて丸くて、ウサギ?みたいな動物を抱えてやって来た。
頭に角が生えてて、額に宝石みたいな物が付いていた。
「この子は?」
僕が聞くと「昨日の卵が孵って、この子が産まれたの、それで名前は白玉って名付けたの」
中森さんは、そう言った。
可愛いい。
もふもふだ。
「触っても平気?」
僕は尋ねる。
「白玉、この人は白石君だよ!触っても良いかな?」
すると白玉は僕に近づいてきて、僕の手を舐める。
僕は白玉をもふもふする
「お~!この手触り、最高だ~」
まさか一晩で孵ると思ってなくて、びっくりした。




