C級ダンジョン地下2F①
ぼくは、毎朝のルーティンのスライム狩りを終わらせ、朝食を食べてから自転車で中森家に行く。
健太さんは、昨日あんな大怪我を負ったのに、今日もダンジョンに潜るらしい。
他のメンバーも、やる気満々みたいだ。
「拓哉もダンジョンに行くなら乗せていってやるぞ」とのお言葉に甘えて、一緒に車に乗せてもらう。
ダンジョンに到着すると、ここから別行動。
健太さん達は、ダンジョン入口近くにロッカーを借りていて、そこに装備等を置いてあるそうだ。
ロッカーで装備を身に付けてからダンジョンに入ると言っていた。
ダンジョン内に、不規則に移転石と呼ばれる石像みたいな物があり、そこに触れておくと、あら不思議…!自分が行きたい石像がある場所に、一瞬で移転出来るそうだ。
僕は一人でダンジョンの入口に向かう。
探索者カードを係員さんに渡す。
すると「君!何だその格好は!そんな格好では危険だぞ!」と言われる。
「近場を覗くだけです」僕は答える。
係員さんは、心配そうにしながらも、ゲートを開けてくれる。
さて、今日は地下2階に行ってみよう!
僕は歩き出す。
先頭はアネモネ。
その後ろにフリージア。
ビオラが左肩の上に座る。
そして、草原の一本道を進んで行く。
奥まで行くと下の階に続くトンネルがある。
トンネルを抜けると、そこは茶色い大地だった。
横幅300m位ありそうな広い道が続く。
地面は赤茶けた土で、少し粘りけがある感じだ。
道の両側は高い壁が何処までも続く。
壁も、地面と同じ赤茶けた土で、ところどころ、小石がまじってる。
地図には、魔物はいないと書いてあるが、僕は念のため、アネモネに偵察を頼む。
アネモネに偵察頼んだ僕は、のんびり道を進む。
暫く進むと、アネモネが僕を待っていた。
左側の壁を指差す。
何か、あるのかな?。
僕はアネモネの後をついて行く。
壁の前に到着すると、今度はアネモネが上を指差す。
「いくらなんでも、この壁は登れないよ~」
すると、アネモネからジャンプするイメージが伝わってきた。
僕はその場でジャンプする。
すると、体が浮き上がり、上に登って行く。
アネモネの風魔法で、僕を持ち上げているみたいだ。
そして、最後は風が背中を押す。
僕は高い壁の上にたどり着いた。
壁の上も赤茶けた土で、サボテンみたいな植物が生えていた。
トゲが鋭く、ズボンに触れると破けそう。
僕は慎重にアネモネの後をついて行った。
凄く大きな岩があり、アネモネはその岩の後ろに回り込む。
すると、岩と岩の間に隙間があり、そこをアネモネが進む。
僕は体を横向きにし、カニ歩きで何とかそこを通過する。
アネモネが岩を指差す…岩の裏側には、女神像が彫ってあった。
石仏ではなく、石女神?
そして、女神像の足元に宝箱が置いてあった。
アネモネが宝箱を確認する。
うんうんと頷いている。
どうやら罠は無いみたいだ。
僕は宝箱を開ける。
宝箱の中には、真っ白な大きな卵が入っていた。
僕は卵を宝箱から取り出し、リックサックにしまう。
すると宝箱は光りの粒子になり、消えて行った。