ゴールデンウィーク⑥
健太さんは、大怪我をしたが、治してもらったから大丈夫だと笑った。
美女が僕を見る。
「白石君?何故ここにいるの?」
「何だ、お前達知り合いか?」
健太さんが言う。
僕達は同級生だと説明する。
健太さん達は、同じ高校の3年生だった。
僕は自分の身の上を話す。
父が亡くなったこと。
爺ちゃんの家を相続し、一人暮らしをしていること。
裏山のダンジョンが出来て、今日はスライムの魔石を売りにきたこと。
予定より収入が多かったので、実家に仕送りしようと思っていること等。
すると、健太さんは言った
「うちと一緒じゃないか。うちも父が死に、母が働いて俺達を育ててくれた。家計を支えるためと、自分の夢を叶えるために探索者になった」と。
「よし、白石。お前一人暮らしでろくなもの食べてないだろう。今日はうちで夕食を食べてけ!」
健太さんがそう言うと、後ろにいた中森さんのお母さんが「それが良いわ。白石君そうしなさい」
「お母さん、帰りにスーパーで買い出しして帰ろう!」
どんどん話が進んで行く。
どうやら僕が、中森家で夕食を食べて帰るのは決定事項らしい。
健太さんは、誕生日前から教習所に通い、誕生日を迎えてすぐに免許を取って、中古車を購入。
パーティーメンバーは、健太さんの車でダンジョンに来ているそうだ。
今日も健太さんはメンバーを送って帰る事になり、僕と中森さんは、彼女のお母さんが運転する軽自動車で帰る事になった。
僕が、駅に自転車を置いている事を話すと、僕と中森さんは駅で車を降りて、歩いて中森家に行き、お母さんは僕達を駅で降ろしてから、一人でスーパーで買い出しして帰る事になった。
そして、僕は中森家で、久し振りにすき焼きを堪能した。




