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高杉君の初恋③
僕の席は前の方で、彼女の席は後ろ。
僕は後ろ席の人と話すフリをして、彼女を見る。
彼女は、よく山田さんと話している。
確か、山田さんは、中森さんと幼馴染みだったハズだ。
でも、それ以外に1名。
余計な人物が目には入る。
白石だ!
あいつは、僕の中森さんと、たまたま隣の席になっただけなのに、楽しそうに会話をしている。
本当に邪魔だ!
白石は、県外から引っ越してきたらしい。
知り合いがいない白石のことを、優しい中森さんが気を使って、話し掛けているだけだ!
勘違いするなよ!
僕は白石に、自分との違いを見せ付けるため、中森さん達のところにゆく。
そして、僕と中森さん、山田さんの3人で会話するんだ。
良いか、白石。
中森さんに、ちょっかいを出すなよ!
彼女は将来、僕の妻になる人なんだから。




