勇気君は、拓哉を敵と認定する①
僕は正木勇気。
勇者パーティーのリーダーだ!
今はまだ、僕のJOBは魔法剣士。
偽装のスキルでJOBを勇者に偽装中だ。
だが、女神様の試練さえ乗り越えれば、正式に勇者のJOBが得られる!
何れ勇者のJOBを得るんだから、何の問題も無い!
早いか?遅いか?の違いだけだからな~!
女神様の試練をクリアして、早く勇者のJOBを得たいものだ。
僕が率いる勇者パーティージャスティスは、探索者協会の支店が設置されているダンジョンに活動拠点を移した。
今まで活動していたダンジョンの入口が閉じてしまい、入れなくなった。
今日から来ているダンジョンと繋がってしまったのだ。
僕達ジャスティスは、工藤の兄貴と静香さんを仲間に加え、オークの群れを討伐出来るまでになった。
恐らく、お試し期間が終了したんだ。
ここからが本当の女神様の試練スタートだ!
うん。
きっとそうに違いない!
先ほど僕達は、探索者協会の支店長から説明を受けた。
ダンジョンスタンピードが発生しそうだから、僕の勇者パーティーにも力を貸して欲しいと言われた。
実に気分が良い!
まあ、僕は勇者(自称)だからな!
僕が次々に魔物を討伐し、人々から喝采と尊敬の眼差しを受ける。
ふふふ。
良いんじゃないか?
そんな未来しか見えない!
僕は楽しみで仕方ない!!
そんな僕に支店長が水を差す。
「ダンジョンスタンピードは、サンライズと言うSランクパーティーがメインとなって対応する予定だ。だから君達にはサンライズの補佐をしてもらう」
サンライズ?
Sランクパーティー?
そんな奴らが居るのか?
目障りな奴らだ!
まあ良い。
僕がサンライズより活躍すれば、早くランクUP出来るんじゃないか?
ふふふ。
楽しみになって来た!
その後、僕達は現場の確認の為、ダンジョンに入ってみる事になった。
「以前は草原の1本道になっていて、道を右にそれて暫く歩いたところに丘があった。その丘なら草原を見渡せるかも知れない」
流石!工藤の兄貴だ!
的確なアドバイス!
ありがとう御座います!!
「よし、みんな!工藤の兄貴が言う丘に行くぞ!」
僕がそう言うと「分かった」とメンバーが答えた。
★★★★★
工藤の兄貴が教えてくれた丘に到着すると、そこには先客が居た。
男女のカップルだ。
女性はテイマーかな?
真っ白と言うか…どっちかと言うと銀色?のとても綺麗な毛並みの犬が居た。
男性が振り替える。
僕達がこんなに接近しているのに気付かないなんて、たいした事は無いな~
それに、ダンジョン内でレジャーシートを敷いて、のんびりお茶を飲むなんて、馬鹿じゃないのか?
それに2人でペアルック?
一部の色だけ違う同じ服(装備?)を着ている。
何だ?この低レベル探索者?
この場所は勇者パーティーの僕達が目を付けた場所だ。
邪魔だから追い出すしか無いな!
僕が彼らを追い出そうとすると、梓が止めに入る。
梓め!余計な事を言うんじゃない!
君は大人しくリーダーの僕に従っていれば良いんだ!
だが梓が話を聞くと、Sランクパーティーのサンライズだと言う。
こいつらがサンライズか。
ぼ~っとした男だ。
それと女性だった。
僕は女性を見る。
…何て綺麗な人なんだ!こんな綺麗な人は初めて見た!
彼女を見た途端、僕の心臓がドキドキした。
その後、女性達がレジャーシートに座りながらお喋りを始める。
僕はレジャーシートには座らない。
こんな、ぼ~っとした男の横に座るなんて、まっぴら御免だ!
工藤の兄貴も座らずに僕の横に立つたままだ。
何時、何があっても対応出来る様に、座らず辺りを警戒しているんですね!
工藤の兄貴、流石です!
それなのに空気の読めない孝之だけが、ぼ~っとした男の横に座る。
孝之!空気を読めよ!
パーティーリーダーの僕と、工藤の兄貴が立ってるんだそ!
これだから、お邪魔キャラは駄目なんだ。
僕は話が盛り上がっている女子達の会話に耳を傾ける。
…そうか!この美女は中森美鈴さんって言うのか…名前まで可愛いじゃないか!
彼女を見ていると、ドキドキが止まらない。
僕が彼女…美鈴さんを見ていると、ぼ~っとした顔をした白石拓哉と言う男が「右側のダンジョンから魔物が来るから警戒して!」
そう言った。
何言ってるんだ?魔物なんて全く見えない。
それに気配も無い。
みんなの気を引こうとしているのか?
ヨモギと言う少女に、支店長へ報告に行くよう指示を出した。
こんな幼い少女を走らせるなよ!
白石!お前が走れよ!
そうすれば、僕が美鈴さんの隣に座れるだろうが!
空気読めよ!
お前が邪魔なんだよー!!
本当にSランクの探索者か?
そうか!分かったぞ!
可愛いくて優秀な探索者、美鈴さんのお陰でSランクになったんだな。
僕にはお見通しだ!!




