ダンジョン地下11階右側を探索する②
何故か?
お寺があった。
ダンジョン地下11階左側に神社。
そして、右側にはお寺。
ダンジョンは、不思議がいっぱいだ。
さて、どうするか?
神社の時はお参りしたら、賽銭箱が宝箱に変わった。
お寺の場合も同じかな?
僕が先に確めても良いが、その場合、もし後から美鈴さんが到着した時に、宝箱を開ける楽しみを僕が奪ってしまう事になる。
う~ん。
どうしよう?
よし、精霊に美鈴さん達の動向を調べて貰って、それから考えよう!
僕は1番スピードが速い、風精霊のアネモネに、美鈴さん達が何処まで来ているか?調べて貰う事にした。
僕が頼むとアネモネが凄いスピードで飛んで行く。
僕は開けた場所に、巾着袋から取り出したレジャーシートを敷く。
そして、シートの上に座る。
「ヨモギ!おいで!」
僕が呼ぶと、辺りを警戒中のヨモギがやってくる。
他の精霊達が上空で警戒しているから、心配いらないだろう。
僕はヨモギを横に座らせて、ヨモギの頭を撫でる。
スノーも白玉も居ないから、もふもふ出来ない。
そこでヨモギの頭を撫でる事にしたのだ。
ヨモギの髪は、細くてさらさらだ。
暫くヨモギの頭を撫でていると、アネモネが帰って来た。
ヨモギが通訳してくれる。
「マスター。後30分位で美鈴様達が到着するみたいです」
「分かった!ありがとう」僕はお礼を言った。
僕は美鈴さん達が到着するまで、レジャーシートに寝そべり、だらだらする。
僕がだらけていると、美鈴さん達が到着した。
「あっ!こんな所にお寺がある!」
「ひょっとして、お参りしたら、賽銭箱が宝箱に変わるかも!」
美鈴さんが楽しそうで何よりだ。
僕は立ち上がり、レジャーシートを巾着袋にしまう。
そして、美鈴さんと一緒にお寺の境内に入って行った。
僕は後ろを振り返る。
神社の時は、バッハ達が入ってこられなかった。
バッハと目が逢う。
バッハは、首を横に振った。
やはり中に入ってこられない様だ。
僕と美鈴さんは、先に進む。
そして、賽銭箱にお賽銭を入れて、お参りする。
そして、目を開けると賽銭箱が光の粒子になって消えた。
次に光の粒子が集まり出す。
そのまま様子を見ていると、光の粒子が宝箱に変わった。
「拓哉さん!宝箱が出てきたよ!」
美鈴さんが嬉しそうだ。
アネモネが宝箱を調べる。
そして、うんうんと頷く。
罠は無いみたいだ。
アネモネが頷く姿がを見た美鈴さんが、宝箱に手を掛ける。
そして、ゆっくりと蓋を開けた。
何が出て来るかな?
僕は美鈴と一緒に宝箱の中を覗き込む。
中にはスクロールが入っていた。
美鈴さんがスクロールを取り出し、鑑定する。
「これは精霊契約のスクロールだよ!」と美鈴さんが言う。
1体だけだけど、精霊と契約出来るらしい。
何故?お寺で精霊なんだ?
やはり、ダンジョンは不思議がいっぱいだった。
精霊契約のスクロールか…
僕は精霊使いのJOBを持っているから必要ない。
美鈴さんも、スノーや白玉。
黒蜜やバッハ達がいるから、精霊が必要でもない。
さて、どうするか?
う~ん。
「瑞穂に渡すか?」
「うん。良いと思う!」
美鈴さんも賛成してくれたから、瑞穂に渡す事にした。
瑞穂が使う弓は、火・水・光の矢を魔法で錬成する事が出来る。
風の精霊と契約すれば、探知能力が上がり、危険察知力が上がる。
それに罠感知も出来る。
土精霊と契約すれば、土の壁を作って貰い、防衛力が上がる。
闇精霊なら、影魔法で影の中を進み、相手の背後に回り込む事も出来る。
まあ、契約するのは瑞穂だから、本人の意志に任せよう。
僕はスクロールを巾着袋にしまった。
精霊に「まだ、何かある?」
僕が聞くと精霊達は首を横に振る。
この右先奥まで来る道は2本だけ。
僕が通って来た道と、美鈴さんが歩いて来た道だ。
他に道は無い。
精霊達も、これ以上は何も無いと言っている。
ここが、終点らしい。
そこで僕達は、11階の探索を終了する事にして、バッハの転移門で天空の城に戻った。




