ダンジョン地下11階左側の探索を終了する。
精霊が宝箱を調べてくれる。
アネモアがうんうんと頷く。
それを見た美鈴さんが宝箱を開けた。
中にはお札が1枚入っていた。
美鈴さんがお札を宝箱から取り出す。
そしてお札の鑑定をする。
「これは、商売繁盛のお札だって!」
「商売繁盛のお札?」
「そうだよ。このお札を神棚に飾っておくと、商売繁盛するらしいよ!」
「そうなんだ」
僕には関係ないな。
僕がそう思っていると、美鈴さんが「拓哉さんのお母さんが開く古民家食堂に神棚を作って、そこに設置しようね!」と言った。
美鈴さんが、お札を収納袋に入れて、来た道を引き返した。
僕の母と妹。
それから美鈴さんの3人は、頻繁に連絡を取り合っているらしい。
その後も左側の探索したが、何も発見出来なかった。
獣道の様な細い道もすべてチェック。
鉛筆で紙に道を記載する。
あと、大きな木には目印を付けて、それらも紙に記載した。
左側の調査が終わった。
かなり歩いた。
けっこう疲れたから、今日の探索は終了。
僕達は、バッハの転移門で天空の城に戻り、休憩する。
僕が自分の部屋のベッドでだらけていると、誰かが扉をノックする。
「どうぞ~!」僕が言うと、ヨモギが部屋に入って来た。
「マスター。お茶の準備が出来ました!」
「分かった!ヨモギ!ありがとう!」
僕はヨモギにお礼を言って、食堂に向かう。
ヨモギが嬉しそうに笑った。
僕がテーブルに付いて暫くすると、美鈴さんがやってくる。
2人向かい合わせで座り、お喋りしていると、ヨモギがお茶を入れてくれた。
「ヨモギ!お茶を入れられる様になったんだね!」
「はい。バッハさんが教えてくれました!」
ヨモギが得意気に笑った。
アリアがお茶請けに、クッキーを出してくれる。
「そう言えば、バッハは?」
バッハの姿が見えない。
するとアリアが「支店長に報告に向かわれました」と言う。
最近は、バッハが報告に行ってくれるから凄く楽だ。
でも、その分、支店長に会っていないから、寂しい気もする。
お茶を飲み、天空の城で一休みした僕達は、アリアが開いた転移門で自宅に帰った。
僕が自宅の和室でだらけていると、隣の家から母がやってくる。
明日は母が購入した軽自動車が納車されるらしい。
「車が納車されたら、ホームセンターに行って肥料を買ってくるから、畑に肥料を撒いて、土と混ぜてくれる様に、精霊にお願いしていてね!」
それだけ言って、自分の家に戻って行った。
僕が精霊達を見ると、うんうんと頷いている。
精霊達が良いなら、それで良いか。
僕は再び畳の上でだらけた。




