ダンジョン地下8階の探索をする④
黒蜜が居る広い場所に戻った僕達は、次に真ん中の通路へ進む事にした。
僕達は通路を進む。
すると、途中から地面が石から砂になり、歩き難い。
しかも、地面が砂に変わってから、通路の横幅が広くなった。
そして、沢山の蟻地獄が行く手を阻む。
さて、どうするか?
僕が思案していると、アンバーが土魔法を発動する。
すると、蟻地獄の中に居る魔物が、地面からから押し出されてきた。
すかさず騎士達が、剣から魔法の斬激を飛ばし、蟻地獄の魔物が光の粒子になって消える。
そしてアンバーが魔石を1ヵ所に集めてくれた。
魔石はバッハが拾って保管してくれた。
アンバーが、また魔法を発動すると、砂が固まり、一直線の道が出来た。
「アンバー!ありがとう!」
アンバーのお陰で歩き易くなった。
そして僕達は、先へ進んで行った。
暫く進むと、広い場所に出る。
円形状の1段高い場所の手前で1度止まる。
2度目のボス戦だ。
僕が「聖剣フラガラッハを試したいんだけど、良いかな?」と聞くと、騎士達が僕の後ろに下がる。
どうやらOKらしい。
隣に居る美鈴さんにも後ろに下がって貰い、僕は収納袋から聖剣を取り出した。
僕が1段高くなっている場所に登ると、光の粒子が集まり出す。
そして光が収まると、そこには魔物がいた。
蟻の魔物だった。
数は全部で6体。
僕は鞘から聖剣を抜き、魔力を込める。
そして剣を横に振る。
剣から風の斬撃が飛ぶ。
そして1振りで、6体の蟻の魔物を全て倒してしまった。
こんなに威力があるなんて…
「拓哉さん!凄い!」
美鈴さんが褒めてくれて、僕は嬉しくなった。
今度も瓶が2本ドロップしていた。
ドリンク剤みたいな瓶だった。
そして残りは魔石になった。
瓶の中身は何だろう?
僕がそう思っていると、バッハが瓶を拾って眺めている。
鑑定をしている様だ。
そして「これは、魔力増幅薬ですな」と言う。
「魔力増幅薬って何ですか?」
「これ1本を飲めば、魔力量が3%増える様です」
すると美鈴さんが「これも瑞穂ちゃんにあげようね!」と言う。
瑞穂に渡す予定の弓は、魔力を使って矢を生み出す。
従って、魔力切れになると矢を生み出せなくなり、攻撃が出来ない。
少しでも、瑞穂の魔力を上げておいた方が良いか…
「分かった!瑞穂にあげよう!」僕が答えると、バッハが2本とも異次元空間に仕舞った。
暫くすると、光の粒子が集まり出す。
そして光が収まると、そこに宝箱が現れる。
バッハが宝箱の前に進む。
「美鈴様。罠は無い様です」
それを聞いた美鈴さんは、満面の笑みを浮かべる。
美鈴さんが嬉しそうで何よりだ。
そして美鈴さんが、宝箱の前に歩いて行った。
美鈴さんが宝箱の前で立ち止まる。
僕も美鈴さんの横に移動した。
美鈴さんが宝箱を開けた。
中にはスクロールが入っていた。
美鈴さんがスクロールを宝箱から取り出すと、宝箱は光の粒子になって消えた。
美鈴さんがスクロールの鑑定をする。
「これは、結界のスキルだよ!」
「これも瑞穂ちゃんにあげようね!」と言った。
僕は「分かった!」と答える。
瑞穂がスキルで危険を察知したら、結界をはる。
そうすれば、瑞穂が攻撃を受けても負傷するリスクが減るだろう。
何だか今日は、瑞穂の為にダンジョン攻略しているみたいだ。
でも、自分の妹だし、瑞穂に何かあると困るから、これはこれで良いかと結論を出す。
美鈴さんがスクロールを仕舞うと、バッハが再び転移門を展開する。
僕達は転移門を通って黒蜜が待つ広い場所に戻って行った。




