天空の城で、バッハや騎士達と合流する。
冬休みが終わった。
ダンジョンの探索をしたり、母と妹がリフォームの進捗具合を見に来たり、なかなか忙しかった。
隣の家はリフォームが無事に終わり、たまに換気をする様に母から言われた。
精霊の風魔法で、埃を吹き飛ばしてしまう予定だ。
そうすれば、換気も出来るし。
僕と美鈴さんは、学生生活に戻った。
ただ、美鈴さんの獣魔や僕の精霊達には魔素が必要だ。
僕の精霊達は、レベルが上がったから、裏山ダンジョンの魔素では足りない様だ。
そこで、美鈴さんと話し合い、毎週土曜日はダンジョンに行く事になった。
僕達は、まずダンジョン地下1階の天空の城に向かう。
城の正門に着くと、バッハやルービンシュタイン達が出迎えてくれる。
「お待ちしておりました」バッハが言うと、全員が一斉に頭を下げる。
初めの頃は、動揺していたが、流石に最近は慣れてきた。
風の上位精霊に挨拶して、僕の部屋に集合する。
バッハが異次元空間に手を突っ込み、何か?黒い物を取り出した。
「拓哉様。聖剣の鞘が完成致しました」
「バッハ。ありがとう!」
後で鱗を提供してくれた黒蜜にもお礼を言おう!
僕は鞘を受け取り、聖剣を鞘にしまう。
不思議な事に、剣を鞘に入れると鞘の形が変わる。
どーなってるんだ?
僕がそう思っていると「この鞘は、サイズ調整機能が付与されています」とバッハが言う。
なるほど、それで形が変わったのか。
「本日のご予定をお聞きしても?」
美鈴さんが「ダンジョン地下8階の探索をしようと思ってます!」
「承知しました」
「では、出発前にお茶はいかがですか?」
「拓哉さん。どうする?」
「せっかくだから、頂こうか?」
「一休みしてから出掛けよう!」
「ダンジョン地下5階と6階の間にある移転の間から、けっこう歩くと思うし」
「うん。分かった!」
僕達がテーブルに着くと、バッハがお茶の準備を始める。
アリアがティーカップ等を用意して、部屋を出て行く。
バッハがお茶を入れ終わるタイミングでアリアが戻ってくる。
お盆にチョコレートケーキが載っていた。
調理場でチャイコフスキーが作ってくれたそうだ。
チャイコフスキーは、料理だけではなく、パンを焼いたり、お菓子作りも得意だそうだ。
僕達は、美味しいお茶に、美味しいケーキを食べて、これだけでも来た甲斐がある。
一休みした僕達は、いよいよダンジョンの探索に出発する事にした。
すると、バッハが「では転移門を開きます」と言う。
…転移門?
転移門って何だ?
「あの~転移門って何ですか?」美鈴さんが聞く。
「美鈴様。我々に敬語は不要です」
バッハが説明を続ける。
「我々は、1度行った事のある場所と、現在居る場所を繋げる事が出きるのです」
「美鈴様がダンジョン地下7階迄行った事があると仰っていたので、事前に8階へ行き、何時でも美鈴様が行ける状態にしておきました」
「因みに、我々の主人、美鈴様が居る場所にも、転移門を繋げる事が可能です」
「これにより、何時でも美鈴様のところに馳せ参じる事が出来ます!」
なるほど、美鈴さんに危険が迫った場合は、呼び出せば良いんだ。
「美鈴様。こちらをお使い下さい」
バッハが、異次元空間に手を突っ込みスクロールを取り出した。
美鈴さんが鑑定する。
「念話ですか?」
「はい。美鈴様が念話のスキルを取得されれば、口に出さずとも、我々の事を思い浮かべて下されば、我々と話が可能となります」
美鈴さんは、スクロールを受け取り、そしてスクロールを開いた。
どうやら、無事に念話のスキルを取得したみたいだ。
改めて、バッハがスキルを発動させる。
何も無かった空間に門が現れた。
バッハが門を開ける。
僕達は門を通った。
「ダンジョン地下8階で御座います」
そう言って、バッハが頭を下げた。
今回の探索は、何時ものメンバーと、バッハ・アリア・ドヴォルザーク。
それから、騎士のブーニン達6人を連れてきた。
ダンジョン地下8階は、サバンナみたいな場所だった。
誤字脱字報告をありがとうございます。
何時も助かっています。
次回から、ダンジョン地下8階の探索が始まります。




