拓哉の母と妹が再びやってくる②
翌朝、僕は何時のルーティンをする。
裏山ダンジョンの入口を開けてもらう。
今日は僕がスライムを倒す事にした。
バッハからもらった収納袋から剣を取り出す。
僕が剣に魔力を込める。
これも勇者JOBを授かった時に得た。
魔法の使い方が何となく分かる。
剣の表面に炎が現れる。
そしてスライムに向かって剣を振る。
剣術スキルのお陰で、1回でスライムの魔石に命中した。
次は、炎の斬擊を試してみる。
バッハが魔法はイメージが大切だと言っていた。
だから僕は、剣を振ると、炎の斬撃が剣から飛ぶイメージをしながら、スライムに向かって剣を振る。
僕のイメージ通りに炎の斬撃が飛び、スライムを倒す事が出来た。
僕は残りのスライムも、炎の斬撃で倒す。
すべての討伐が終わり、アンバーに再び入口を塞いでもらった。
僕は家に戻り、母が作った朝食を食べた。
その後、工務店の人が来たので、母と瑞穂はリフォームの打ち合わせに行った。
暇になった僕は、庭で剣を振りながら時間を潰す。
それから、魔法の練習。
イメージが大切だと言っていた。
まず人差し指をロウソクに見立てる。
ロウソクの先に火が灯るイメージをすると、人差し指の先に火が現れた。
自分の魔力だからか?
熱くない。
次に風のイメージだ。
人差し指の先に小さな竜巻が発生する。
そうやって、一通りの魔法を発現させた。
精霊達が僕の魔法の練習を見ている。
パチパチ!
成功する度に精霊達が拍手してくれて、僕は嬉しくなる。
やはり、誉められるとヤル気が出る。
僕が魔法の練習をしていると、工務店の車が走って行くのが見えた。
どうやら、リフォームの打ち合わせが終わったみたいだ。
母達が僕の家に向かって歩いて来るのが見えた。
「拓哉。あんたの畑。随分綺麗になってるけど、自分で草取りしたの?」
僕が自分でやる訳がない。
精霊の力を借りていると話すと「じゃあ、来年の春からお願いね!」
「野菜も植えるけど、田んぼもやろうかしら!精霊が力を貸してくれるなら、安心だわ!」
どうやら僕の精霊達が、お手伝いするのが決定したらしい。
僕が精霊達を見ると、うんうんと頷いている。
精霊達が良いなら、良いかな?
「自分で育てた野菜やお米を使って古民家食堂をするの。夢が広がるわ~!」
母が楽しそうで何よりだ。
母は農家の出身だから、農家の血が騒ぐのだろうか?
その後、母が運転する軽自動車に乗って、レストランで中森家の皆さんと合流。
皆で昼食を食べ終え、母と妹が帰って行った。
駅でレンタカーを返すそうだ。
土日を使い、リフォームの進捗状況の確認に、また来ると言っていた。
ちゃんと僕に連絡が来るのだろうか?




