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拓哉の母と妹が再びやってくる①

朝早く起きた僕は、何時ものルーティンをこなす。


裏山ダンジョンに向かい、アンバーに入口を開けてもらう。


僕の契約精霊の中で、まだ、下位精霊なのはダリアだけなので、スライムの討伐はダリアにお願いする。


スライムでは、たいした経験値にはならないと思うけど、塵も積もればってやっだ。


討伐が終わり、再びアンバーに入口を塞いでもらった。


僕が家庭菜園に行くと、アネモネが風の刃で草刈を終わらせ、更に風魔法で刈り取った雑草を1ヶ所に集めておいてくれる。


今度はルピナスが魔法で草から水を吸い出して、カラカラにする。


ダリアが火魔法で燃やして灰にする。


肥料の完成だ。


次にアンバーが灰を土魔法で、土の中に鋤き混む。


今は、冬だから畑にはなにも植わってない。


春には、また、野菜を植えよと思っているから、栄養豊富な土になってくれるかな?


僕は家に戻り、窓を開け放つ。


アネモネが風魔法で埃を外に吹き飛ばす。


そして、フリージアが光魔法のクリーンを発動。


これで、家の掃除も終了だ。


僕が小鍋を手に持つと、ルピナスが魔法で水を入れてくれる。


ホームセンターで購入した煉瓦をコの字型に配置し、その上に鍋を置く。


ダリアが火魔法で鍋の水を温める。


その間にスーパーで購入したサンドイッチをテーブルの上に置き、ティーカップを戸棚から出す。


ティーカップの中に紅茶のティーバッグをセット。


お湯が沸いたらティーカップに注ぐ。


ティーバッグを取り出したら、紅茶にミルクだけ入れて、ミルクティーが完成だ!


僕は朝食を食べた。


何時もなら、中森家でご馳走になっているけど、美鈴さん情報によると、今日は母と妹がやってくるそうだ。


不思議な事に、何故か?息子の僕には連絡が無い。


そこで、昨夜、妹の瑞穂にメールをしたら「えー!言って無かったっけ?」とか「てっきりお母さんが連絡してると思ってたよ~」とか、ほざいていた。


スーパーで買い物をして、家で昼食を食べてから銀行に行くらしい。


…暇だ…


僕は巾着袋から剣を取り出した。


デュラハンと言うダンジョン裏ボスを倒した時にドロップした剣だ。


聖剣は、ダンジョンの天空の城に置いてある。


鞘がなくて、危ないからだ。


それと、僕と美鈴さんは、バッハから収納袋をもらった。


ウエストポーチ型の収納袋だ。


時間停止機能は無いが、80㎏迄入る凄いやつ。


そしてバッハが、異次元に名人がいるから、鞘を作りに行ってくれると言っていた。


人間は入れない空間らしい。


黒蜜の鱗を何枚か貰い、鞘の材料にすると言っていた。


僕は炎の剣を振りながら、剣術の練習をする。


勇者JOBを授かった時に、剣術のスキルを手に入れた。


そのせいなのか?体が勝手に動くと言うか…動かし方が分かる。


本当に不思議だ。


僕が庭で剣を振っていると、軽自動車がやってきた。


"わ"ナンバーだから、レンタカーみたいだ。


僕が車を見ていると、車から母と瑞穂が降りてきた。


母は何時免許を取ったんだ?


「母さん!免許を取ったの?」


「若い時よ!もう何十年も運転して無かったから、教習所に通って、ペーパードライバー講習を受けたの」


「だって地方で暮らすなら、車が無いと不便でしょ!」


「…そうなんだ」


「さあ、昼食の準備をしなきゃ。午後から銀行だから」


「あの~本当に隣に引っ越してくるの?」


「何を言ってるの!前回来た時にそう言ったじゃない!」


「お兄ちゃん。ボケたの?」


「失礼な事を言うんじゃない!本当に引っ越して来るとは思っていなかっただけだ!」


母と瑞穂は、僕の家に入り、昼食の準備を始めた。



昼食を食べながら話す。


「お父さんの保険金と退職金の一部を使って、拓哉の隣の家を買うの」


「東京の家は、隣の竹山さんが買いたいって言うから、竹山さんに売る事にしたわ!」


「竹山さん家は、息子さんが2人でしょ。だから相続の時にもめない様に買いたいって」


「長男は、まだ結婚してなくて実家に住んでるけど、次男が来年結婚するそうなの。だから、来年の春に私達が引っ越したら、次男が住むって言ってたわ」


東京の実家は、建て売りだ。


同じ位の土地に、似た様な家が数軒建っている。


確かに30坪ほどの土地じゃ相続の時に半分に出来ない。


15坪の土地に家を建てるのは無理がある。


だから相続の時、家を売ってお金に替えて折半するしかない。


母によると、来年の春に東京の家を売却し、こっちに引っ越してくるそうだ。


だから、小さくて比較的新しい方の家をリフォームして、冬休みの間に住める様にする。


明日の午前中に工務店の人が来て、リフォームの打ち合わせをするそうだ。


そして、明日の昼食は、中森家の人達と一緒にレストランで食べて、レンタカーを返却し、電車で東京に帰るらしい。


…僕は、中森家の皆さんと一緒に食事をするなんて聞いてない!


その事を母に言うと「言って無かったっけ?」と言われてしまった。



大きな古民家は、こっちにに引っ越して来てから改装するそうだ。


母は、本気で古民家食堂を開くらしい。


そして、妹の瑞穂は来年中学3年生だ。


僕が通っている県立高校を受験するそうだ。


結局、家族全員揃ってしまう事になった。



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