女神様誕生?
「どうしたの?」僕が聞く。
すると美鈴さんが「悪魔を召喚するカードだったの!」
「ヤバい!どうしよう!!」
そう言った。
「この白髪交じりの男性が伯爵級悪魔で、メイド服の女性と、甲冑を着た男性。それからコックさんの3人が男爵級悪魔になってる!」
「間違いないの?」僕が聞くと「鑑定したから間違いない!」そう言った。
僕達が話していると、支店長が近付いてきた。
そして「召喚カードの魔物は、召喚者の命令に従うハズだ。それから召喚者には危害を加えられない。だから1度召喚して確認した方が良いと思うぞ」と言った。
確かに、このまま使わず封印する事も可能だが、危害を加えないなら、活用した方が良い気がする。
「支店長が言う様に、1度召喚して確認した方が良いんじゃない?」
「分かった。拓哉さんが言うなら、召喚してみる」
美鈴さんが、右手にカードを持ち、そして「召喚!」と唱えた。
カードが光り輝く。
そして光の粒子になって消える。
次の瞬間、美鈴さんの目の前が光り輝き出す。
光が収まると、4人の人物がそこにいた。
男性3人は、頭を下げて片膝を付いていて、女性は両手でスカートを摘み、やはり頭を下げていた。
そして全員が立ち上がる。
白髪交じりの男性が、1歩前に出て「初めまして、マスター。お名前をお聞きしても?」
「中森美鈴です…」
「では美鈴様。我々に名前を付けて頂きたく」
そう言われた美鈴さんは、少し考えていた。
そして、白髪の男性に「あなたの名前はバッハ」
メイド服の女性に「あなたはアリア」
うん?
バッハが作曲したG線上のアリアと言う曲から取ったのかな?
僕がそんか事を考えていると、残りの2人にも名前を付ける。
騎士にはドボルザーク。
コックにはチャイコフスキー。
作曲家の名前を付けた様だ。
名前を付けた終えた美鈴さんが、ビクっとした。
何かあったのか?
心配になった僕は「どうしたの?何かあった?」僕が聞く。
「私…女神のJOBを得たみたい…」
「えっ?どう言う事?」
すると、バッハが話し出す。
「美鈴様。天使と悪魔の違いをご存知ですか?」
美鈴さんが首を振る。
「神の眷属が天使。そして神の元を離れた元天使の事を総称して悪魔と呼びます」
「美鈴様が我々に名前をお付けになり、我々は美鈴様の眷属となりました」
「従って、我々に名前をお付けになった美鈴様は、女神となり、我々は女神の美鈴様に支える天使になった次第です」
バッハは、そう言った。
…沈黙が続く…
「美鈴!JOBを2つも得て良かったじゃないか。それも、女神のJOBだなんて…俺もこの仕事をしていて長いが、始めて聞くJOBだ!」支店長が言う。
バッハが「御用が御座いましたら、何なりとお申し付け下さい」
そう言って、4人が一斉に頭を下げた。
凄いぞ!美鈴さんは、女神様になってしました。
…取り敢えず、今はやってもらう事がないから、用があったら呼びます。
そう言って召喚を解除した。
4人は光の粒子になって消える。
そして美鈴さんの目の前に光が集まり、そして召喚カードをなった。
美鈴さんは、カードを手に取り、そして巾着袋にしまった。