拓哉と美鈴はダンジョン地下7階のボスと戦う。
リザードマンをすべて倒し終わると、地面に魔石や鎧。
それから槍や盾が落ちていた。
魔物を倒したから、ドロップしたみたいだ。
「支店長。魔石やドロップアイテムを預かってくれませんか?僕の巾着袋じゃあ入りきれないんです!」僕は支店長にお願いする。
支店長は「ああ、分かった。他の荷物と分けて収納しておくから安心してくれ」と言った。
僕達は、奥の1段高くなっている場所の手前に移動する。
床に魔法陣が見える。
しかし、光っていないから、起動していない様だ。
僕は念のため、右足を魔法陣の中に入れてみる。
やはり、魔法陣は起動していなかった。
「知っていると思うが、そこの1段高くなっている所に入るとボスが召喚されてくる」
「敵わないと判断したら、すぐに撤退するんだぞ!」
「そこの1段高くなっている所からは、外に出られないハズだ」
支店長がアドバイスしてくれた。
「じゃあ、行こうか」僕が言う。
「うん。ボスを倒して宝箱をゲットしよう!」美鈴さんが答える。
僕達は1段高くなっている部分に乗る。
僕が右側。
美鈴さんが真ん中。
そして左側はスノー。
そして、何時もならバックの中に居る白玉が、バックの中から出てきて、美鈴さんの前で座る。
どんな魔物が召喚されるか分からない。
白玉も警戒しているみたいだ。
光の粒子が集まり出す。
そして光が収まると、そこには1体の魔物?がいた。
全身を覆う、真っ黒な甲冑を身に付けている。
右手に剣を持ち、左手で兜を持っていた。
普通なら、兜は頭に乗っているのに、どうなってるんだ?
首から上が無いぞ!?
そして、左手に持つ兜の目の部分が赤く光る。
兜の中に目があるのか?
状況を見ていた職員さんが「デュラハンだ!」と叫ぶ声が聞こえた。
どうやら、デュラハンと言う魔物らしい。
精霊達が攻撃を開始する。
しかし、精霊達の魔法が鎧に当たるが効果が無いみたいだ。
あの鎧には、魔法攻撃耐性があるのか?
僕がそう思っていると、美鈴さんが「拓哉さん。あの鎧には、魔法攻撃無効化が付与されてる!」と言った。
無効化と言う物もあるのか。
知らなかった。
それで、精霊達の攻撃が効かないのか…
デュラハンは、魔法攻撃が効かないと理解しているみたいで、精霊の事は気にもとめていない様だ。
精霊は、物理攻撃が出来ない。
このままでは、デュラハンにダメージを与えられない。
そこで僕は、再び財布を出す。
10円玉を1枚取り出して、左の手の平にのせる。
そして美鈴さんに「魔石の場所は分かる?」
「鑑定が妨害されてる」
「看破!」美鈴さんが看破のスキルを発動させた。
デュラハンが右手に持つ剣が炎を纏う。
あの剣は、炎の魔法が付与されてるのか?
次の瞬間、剣を真横に振った。
ドッカーン!!
飛んできた炎の斬激が、白玉の結界にぶつかる。
流石!白玉!空気の読める子。
デュラハンを倒せたら、いっぱいもふろう!
僕は心に誓う。
美鈴さんが「魔石は胸の真ん中にあるよ!」と言った。
僕は意識を集中する。
そしてスキルを発動させた。
「チェンジ!」
僕の手の平に赤黒くて、大きな魔石がのっている。
上手く行ったみたいだ!
デュラハンは光の粒子になって消えた。
チャリン。
床に10円玉が落ちる音がした。