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天空の城に黒蜜を預けに行く。

2学期が終わり、冬休みに入った。


あれから黒蜜は、どんどん大きくなった。


小型化のスキルを持っていて、小さくなる事が出来るが、限度があるみたいだ。


小型化しても、僕の身長より高い。


スノーの様に仔犬くらいの大きさになれれば家で飼えるが、流石にこの大きさでは無理だ。


そこで天空の城に連れて行く事になった。


何とか健太さんの車に乗せて探索者協会に行く。


僕と美鈴さんは、車から降りてダンジョンゲートに向かって歩く。


そして黒蜜は、美鈴さんの横を飛ぶ。


翼があるけど羽ばたく事も無く、地面の上に浮いている。


そして、すーっと滑る様に空中を移動する。


「ブラックドラゴンだ!」


「ヤバい!逃げろ!」


黒蜜を見た探索者達が騒ぎだした。




暫くすると、騒ぎを聞き付けた支店長が事務所から出てきて「あのブラックドラゴンはテイムされている。安全だから騒ぐな!」と大声で言うと、し~んとなる。


「後で告知するが、ダンジョン地下1階の雲の上を住みかにする。だから、決して余計な事はするなよ!みんな知っていると思うが、ダンジョン内は何があっても自己責任だ!」


「拓哉!美鈴!行って良いぞ!」


支店長から許可を貰った僕達は、ダンジョンゲートに向かって歩き始める。


「あれがAランクパーティーのサンライズだ!」


「フェンリルを使役しているって聞いたが、今度はブラックドラゴンかよ!」


「凄いな~!」


「どうしたら、あんな凄い魔物を従魔に出来るんだ?」


…探索者達が僕達を見ながら、話しているのが聞こえる。


あまり目立ちたくなかったけど、仕方ない。


僕達はダンジョンゲートを抜けて草原を進む。


探索者達が、僕達の後をぞろぞろと付いてくる。


僕達は途中で右に曲がる。


すると探索者も右に曲がり後を付いてくる。


美鈴さんが「大勢の人達が付いてくる」何度も後ろを振り返りながら言う。


僕達は丘を登り大きな木の下に到着する。


そして僕達が止まると、他の探索者達も止まる。


僕は他の探索者達の事は気にしない事にした。


「気にしても仕方ない。だから気にせず天空の城に行こう!」僕が言う。


「うん。分かった!」


僕が「アネモネ。お願い!」と言うと、アネモネの風魔法が発動し、僕達の体がゆっくりと上がって行く。


「お~!」


歓声が聞こえる。


僕達の体が上に上がると、同じスピードで黒蜜も付いてくる。


羽ばたく事も無く音も無い。


ただ、すーっと上がって行く。


僕達は雲の上に出て、雲の地面を歩く。


城門を抜けて城内へ入り、風の上位精霊に挨拶に向かう。


僕が「今日から黒蜜がお世話になります」と言って頭を下げる。


隣に居る美鈴さんも「よろしくお願いします」と言って頭を下げる。


それを見ていた黒蜜も、真似して頭を下げた。


そして僕達は、自分達の部屋へ移動した。



僕は一緒に美鈴さんの部屋に入る。


美鈴さんが「黒蜜ちゃん!良い子にするんだよ!」と言うと、黒蜜が頭を縦に振る。


黒蜜は頭が良いから、ちゃんと理解してくれていて、とても助かる。


「ちゃんと会いに来るから心配しないでね!」


美鈴さんは、そう言いながら黒蜜の頭を撫でた。


そう言えば、支店長が言っていた。


ダンジョンの魔物は、ダンジョン内の魔素を吸っているから、食事は必要無いと…


スノーも白玉も食事は必要無い。


その代わり、定期的にダンジョンに入って、魔素を吸収させないといけないと…


僕が使役している精霊は、普通の人には見えない。


だから、研究もされていない。


でも、僕の精霊達も食事をしないから、同じ様にダンジョンの魔素を吸って食事の代わりにしているのかも知れない。


だから定期的にダンジョンに入る必要があるのかも知れないな~


まあ、最悪の場合は裏山ダンジョンがあるから、大丈夫かな?


美鈴さんは「明日また、会いにくるから大人しく待っててね!」と黒蜜に言い、僕達は下に降りた。


僕達が下に降りると、もう探索者達はいなかった。


「やっと静かになったね!」僕が言うと、美鈴さんは「本当だよ~」と言って笑った。

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