拓哉と美鈴はダンジョン地下6階の探索を再開する①
予定より早く支店長達の調査が終わった。
そこで僕は「まだ、時間が早いから地下6階の探索をしたいんだけど、良いかな?」と美鈴さん聞く。
「分かった!私も一緒に行くね!」美鈴さんが言う。
そこで僕達は、探索の続きをする事にした。
「支店長!僕達は、このまま探索を続けます!」僕が言う。
すると支店長が「分かった!予定より早く終わったから、俺達も一緒に行って良いか?」と聞いてくる。
美鈴さんが「良いでしょ?」と僕の顔を見ながら聞いてくる。
だから僕は「じゃあ、一緒に行きましょう!」と声を掛ける。
そして僕は精霊達に「先導してね!」と言うと、風精霊のアネモネが先導してくれる。
相変わらず大きな木が多くて、真っ直ぐに歩けない。
そして暫く歩くと巨大な岩の前に到着する。
土精霊のアンバーが、巨大な岩の地面すれすれのところにある、僅かに飛び出ている場所を指差す。
「どうしたの?拓哉さん」美鈴さんが聞いてくる。
だから僕は「この部分に何か?あるみたい」と答えて、その飛び出ている部分を右手で押してみる。
すると…
ゴゴゴ~!と、凄い音がして、巨大な岩全体が動き始めた。
巨大な岩が動かなくなる。
すると、巨大な岩があった場所から、地下に降りる階段が現れた。
「マジか!」支店長が叫ぶ。
そして1名の職員さんが勝手に入って行こうとする。
「待って下さい!まだ、安全確認をしていません!」
支店長も「ここを見付けたのは拓哉達だ。勝手な事をするな!」と言って、職員さんが勝手に入るのを止めてくれた。
僕は風精霊のアネモネ。
闇精霊のビオラ。
そして水精霊のルピナスに偵察を頼むと、3精霊が中に入って行った。
支店長が「また、中に入らないのか?」と聞いてくる。
僕は「精霊達に偵察を頼んだので、帰ってくるまで待って下さい」と答える。
すると支店長が「そうか。分かった」と言った。
暫く待っていると精霊達が戻ってくる。
地下に向かう階段を指差し、うんうんと首を縦に振る。
僕はみんなに聞こえる様に「精霊達が偵察から帰ってきたので、これから中に入ります!」そう言って、僕が先頭で階段を降りて行く。
下に向かって階段を降りて行くと、だんだん気温が上がってくるのが分かる。
僕と美鈴さんの装備は、温度自動調整が付いているから、体は平気だけど、熱風が吹き付けてくると顔が暑い。
そのまま階段を降りて行き、広い部屋にたどり着いた。
「暑いなぁ…」支店長が言うと、職員さん達も「暑いですね~」と言う。
そこは床も壁も石造りの部屋だった。
しかし、部屋の先には、巨大なマグマの川が右から左に流れていた。
川の向こう側は、溶岩が固まった様な岩が幾つもある岩場だった。
そして、その岩場を進んだ先に、また洞窟の入口が見えた。
どうやってマグマの川を越えようか?
よし!この前取得したスキルを試してみるか!
僕は床に落ちている石ころを人数分拾い、1つを残して巾着袋に仕舞う。
そして「ちょっとスキルを試してみます!」そう言って、1つだけ残していた石ころをアネモネの風魔法で、向こう側の洞窟の入口部分まで運んでもらった。
そして僕はスキルを発動する。
「チェンジ!」
僕が魔法を発動すると、一瞬で目の前の景色が変わる。
僕はスキルチェンジを発動させて、石ころと自分の場所をチェンジしたのだ。
よし!うまくいったぞ!
次に巾着袋から人数分の石ころを床に置く。
人同士がぶつからない様に、スペースを空けて石ころを置いた。
そして僕は、また、スキルを発動した。
次は美鈴さん。
そして支店長。
最後に職員さん達を1人づつ。
「拓哉さん!凄い!」
美鈴さんに褒めらて、何だかちょっと恥ずかしい。
支店長が「拓哉。いま何をした?」と聞いてきたから、僕はチェンジと言うスキルを取得した事を話し、そのスキルを使い、場所をチェンジしたと説明した。
「チェンジ…そんなスキルがあったのか…」
どうやら、チェンジと言うスキルは、レアなスキルだったみたいで、支店長も初めて聞くスキルだったみたいだ。




