高杉君は、拓哉の不正を疑う。
2学期が始まった。
今日から、また、学校で中森さんに会える!
僕は、ウキウキ気分で登校する。
中森さんに会える嬉しさで、何時もより早く学校に来てしまった。
同じクラスの生徒達が教室に入ってきて、少しづつ席が埋まってゆく。
そして、遂に中森さんが教室の中に入ってきた!
うん。
今日も可愛い。
僕が中森さんに見惚れていると、僕の教室に工藤がやってきて「高杉。今週末は予定があるから、来週またダンジョンで、ゴブリン狩りをしような!」などと余計な事を言った。
バカ!余計な事を言うんじゃない!中森さんに、僕が探索者になった事がバレてしまうではないか。
それじゃあ、サプライズにならなくなってしまうだろ!
工藤が余計な事を言うから、クラスの男子達が騒ぎ出す。
…くそー!工藤め!僕のサプライズ作戦が台無しじゃないか…
ダメだ。
もう隠しておけないと判断した僕は、思いきって中森さんを僕のパーティーに誘う事にした。
どうせ誘うんだ。
まあ、中森さんが僕のパーティーに入るのは、決定事項みたいなものだからな。
早いか?遅いか?の違いだから、何の問題もない!
僕は、中森さんに近付いてゆき「中森さん!僕のパーティーに入らないか?」と声を掛ける。
さあ、早くYESと言うんだ!中森さん!
しかし、中森さんの返事はNoだった。
おかしい…彼女を守るのは、僕の役目なハズだ!
彼女を1人で危険なダンジョンに行かせる訳にはいかない。
僕は諦めずに彼女を誘い続ける。
すると中森さんは、事もあろうか、あの白石とパーティーを組んでいると言う。
何かの間違いじゃないのか?
あんな荷物持ちと2人でパーティーを組むなんて、あり得ない。
君は荷物持ちの白石なんかとパーティーを組むべきではない。
そう告げると「私の彼氏の悪口を言わないで!」と中森さんが言う。
…なに?いま彼氏と言わなかったか?
嘘だろ!中森さんの彼氏になるのは、この僕だ。
僕は必死に中森さんの説得を続ける。
中森さんと、こんな荷物持ちとでは釣り合わない。
それに、中森さんが危険だ!
すると中森さんが、白石がAランク探索者だと言う。
そんなハズは無い。
先日、ダンジョンゲート付近で見掛けた時なんて、ろくに装備も付けて無い、貧乏人だった。
僕は白石に、自分の力でどれだけの魔物を倒したか聞くと、スライムをたった11匹しか倒してないと言う。
やはり、白石はカスだ。
僕は、白石に探索者カードを見せて欲しいと頼むと、白石がカードを机の上に出す。
そこには、Aランクと記載されていた。
…おかしい…スライムをたった11匹しか倒していない白石が、Aランクだなんて、おかしい…。
僕の優秀な頭脳が、瞬時に答えを導き出す。
不正だ!白石は不正を働いたんだ!
きっと、優秀な探索者パーティーの荷物持ちとしてダンジョンに入り、おこぼれを頂戴したんだ。
強力な魔物に一撃だけ入れさせて貰い、経験値を分けてもらったり、きっとそれ以外にも、不正をしてるに違いない。
そうか、そう考えると話の辻褄があう。
そして中森さんは、白石に騙された可哀想な被害者なんだ。
来年、中森さんの兄である、あのゴリラが卒業して、1人ボッチになり、心細い彼女の心に漬け込んだに違いない!
なんて卑怯なんだ!
僕が、白石の嘘を暴いて、騙されている中森さんを助け出すんだ!
高杉君!私は白石君に騙されていたわ。
助けてくれて、ありがとう。
私は高杉君のパーティーに入るわ!
うん。
きっと、そうなるに違いない。
今週末に探索者協会に行って、白石の不正を暴いてやる!
ふふふ…楽しみになってきた。




