拓哉の母と妹がやって来る②
今日は、僕の母と妹がやって来る。
たかだか僕の母と妹が来るだけなのに、美鈴さんとお母さんから、ピリピリとした雰囲気が伝わって来る。
駅まで迎えに行く時間になるまで、僕は和室に避難する。
迂闊な話をすると、美鈴さんやお母さんから、怒られそうな予感がするからだ。
僕が和室に行くと、先客が居た。
健太さんだ。
流石は健太さん!
空気を読んで、僕より早く和室に避難し、スノーを黙々ともふっていた。
僕も畳に座り、白玉を呼ぶ。
すると、白玉がピョンピョン跳ねながら和室にやってくる。
僕は、出発時間になるまで、白玉をもふった。
駅で待っていると、改札口から母と妹が出てくる。
2人とも、ビシッと化粧をして、他所行きの洋服を着ていた。
健太さんに母と妹を紹介して、健太さんの車で中森家に向かう。
家に到着した僕は、母と妹を紹介すると、中森さんのお母さんが「どうぞ、中にお入り下さい」と言って、僕の母と妹を家の中に招き入れてくれた。
母が持参したお土産を渡す。
挨拶が終わると、女性4人でお喋りが始まる。
始めは、ぎこちなかったが、暫くすると話が盛り上がり、僕が口を挟む余地がない。
だから僕は、黙って話を聞いている。
一瞬も気が抜けない。
いきなり僕に、話を振られる事があるからだ。
出前の料理が到着し、みんなで昼食を食べて、頃合いをみて、僕達は中森家をお暇する。
健太さんの車に乗せてもらい、僕の家到着した。
母と妹が来ると分かってから、ネットで枕や布団を注文。
2人が泊まる和室の部屋は、リフォームしていない。
だから、精霊の風魔法で埃を外に吹き飛ばし、光魔法のクリーンで畳を綺麗にした。
母と妹は、僕の家で二泊する。
久しぶりに、母が料理を作ってくれる事になった。
でも僕は、最近、中森家でご飯をご馳走になっているから、まったく食材が無い。
母から買い出しメモを渡されて、僕は自転車でスーパーへ買い出しに行く事になった。
僕は、2人に「決して裏山ダンジョンに入らない様に!」と念押しして、自転車でスーパーに向かった。




