拓哉と美鈴は、地下5階のフロアボスを倒す。
僕と美鈴さんが、お茶を飲みながら、フロアボス部屋の扉が開くのを待っていると、扉に魔法陣が現れた。
様子を見ていると、魔法陣から人間が飛び出して来て、びっくり!
男性2名と女性が2名だった。
見たことある顔だな?
僕がそう思っていると、美鈴さんが「曙の人じゃない?」と言う。
ああ、そうだ。
先日、地下4階の大きな木の根元から、宝箱が出たと教えてあげたパーティーの人達だ。
4人とも、ボロボロで、怪我をしている。
「大丈夫ですか?」僕は声を掛けて、フリージアに光魔法で怪我を治すように指示をする。
フリージアの光が、曙のメンバー達を包み込むと、怪我が治って行く。
リーダーの男性が「助けてくれて、ありがとう」と言って、僕達に頭を下げる。
そして「怪我の治療費は、必ず払う」と言う。
僕が美鈴さんを見ると、美鈴さんが「こう言うのは、きちんとした方が良いよ」と言う。
そこで、僕は「治療費1人5千円でどう?」と言うと、リーダーの男性は「分かった。僕達のパーティー資金から、君達のパーティー資金に振り込む。それで良いか?」
僕がそれで良いと言うと「パーティー名を教えて欲しい」と言われたので「サンライズです」と僕は答えた。
すると「君達がAランクパーティーのサンライズだったのか!」と言って、曙のパーティー全員から、尊敬の眼差しを向けられ、僕は恥ずかしくなる。
リーダーの男性が、2万円を支払うと紙に書き、それを僕が受けとる。
僕が「フロアボス部屋で何があったの?」と聞くと「ボス戦に挑んだけど、勝負に負けて、強制的にボス部屋から追い出されたんです。僕達の力不足です。」と言う。
そう言う仕組みなんだ。
前回は、戦闘をせずに通過したから、知らなかった。
その後、曙のメンバー達は「もっと強くなって、再チャレンジします」と言って、来た道を戻って行った。
ボス部屋入れる様になったので、僕達は荷物を片付けて、中に入った。
前回、僕達が中に入ったら、光の粒子が集まり、ボスが現れたが、今回はボス部屋の1番奥の少し高くなった場所に、初めからボスウルフがいた。
曙が倒せなかったから、そのままボスが残っていたみたいだ。
経験値を稼ぐ為、スノーには、何もしない様、お願いした僕は、まだ、下位精霊のままのビオラに討伐を頼む。
ボスウルフの影の中から、影の刃が飛び出し、ウルフのお腹に突き刺さり、ボスウルフは光の粒子になって消えた。
僕の頭の中に機械的な女性の声が響く。
《闇精霊ビオラが中位精霊に進化しました》
やった!ビオラも中位精霊に進化した!
ビオラの身体が一回り大きくなっていた。
ボスが居た場所に宝箱が現れる。
アネモネに宝箱に罠が無いか?調べてもらう。
アネモネが宝箱に近づき、宝箱の確認をすると、罠は無いとの感情が伝わってくる。
僕は、美鈴さんに「罠は無いから、宝箱を開けてみて」と言う。
すると、美鈴さんは嬉しそうに宝箱を開けた。
「拓哉さん見て!瓶が1本入ってた!」と言って僕に見せる。
前回と同様に、ドリンク剤みたいな瓶だった。
前回は、下級ポーションが2本だったけど、今回は1本だから、中級ポーションかな?
後で弓と一緒に鑑定してもらう事にして、僕が持つ巾着袋に入れた。
その後、僕達は移転石に触れて、地下1階に戻る。
今回、美鈴さんは、左手でスノーを触りながら、右手で移転石に触れたら、無事にスノーも一緒に移転出来た。
美鈴さんは、スノーも一緒に移転出来て、ホッとしているみたいだった。




