始まり
思いつきで書いています。
面白いと思っていただければ幸いです。
この世界は魔王と呼ばれた者がこの世を去ってから60年以上平和が続いていた。
かつて勇者と呼ばれたものは眠りにつき、人々が平和ボケをし始めた頃。
サラトス王国マリノ村の外れの森
少年が一生懸命棒を振っていた。
一緒に森に来ていた少女は日が沈み始めた事に全然気づかない少年に少し強い口調でこう言った。
少女「ルカ!いつまで木の棒なんて振ってるの!?早く帰るよ!」
ルカ「今は剣の特訓をしてるんだよ!」
少女「それが剣!?ただの棒じゃない」
ルカ「今は棒だけど!いずれ必ず剣を手に入れる!」
少女「剣なんて手に入れてどうするのよ?」
ルカ「それで強くなって、アリアを守れるようになる!!」
まさかの返答が帰ってき多少困惑しつつ照れながら少女アリアは強がってこう答えた。
アリア「守れるようにってこんな平和なのに何から守るのよ」
ルカ「それは…まぁ…危ない人…とかから?」
アリア「何も考えて無いじゃない。良いから早く帰るよ!母さんたちに怒られちゃう!」
ルカ「分かったよ」
別々の家に帰った2人は親に今日あったことを嬉しそうに話すのだった。
~ルカの家~
ルカ「ねえ!母さん!今日はね!森で剣の特訓してきたんだ!」
ルカ母「そうなの?頑張ったわね」
ルカ「そうそう!僕絶対強くなるんだ!アリアのために!」
ルカ母「そう!頑張ってね アリアちゃんのためにもね!」
ルカ「うん!」
~アリアの家~
アリア「ねえ!ルカが急に強くなりたいとか言い始めた!」
アリア父「そうかそうか理由とか言ってたかい?」
アリア「私を守るためだって!こんなに平和なのに!」
アリア母「あら良いじゃない!アリアの騎士様になってくれるかもよ」
アリア父「そうだぞ~いつ何があるかなんて分からないんだからね」
アリア「そんなの要らないわよ!」
アリアはまた照れて少し強い口調で返した。
~約7年後~
ルカは父の墓前でいつも通りの挨拶をした。
ルカ「父さん今日も特訓に行ってくる!アリアのために!」
挨拶をしていると、家から母がお弁当を持って出てきた。
ルカ母「今日も行くならこのお弁当持っていきなさい。それじゃあ今日も行ってらっしゃい!気をつけてね!」
ルカ「分かった!行ってきます!」
~森の訓練所~
ルカはいつも通り腕立て伏せ・腹筋・木剣の素振りをしていた。
ルカ「497!…498!…499!…500!よし!次は腹筋だ!その後は素振り1000回!…いや、1500回にしよう!」
そんなこんなで約4時間ほど経った頃マリノ村の方向から黒い煙が空に上っている事にルカは気づいた。
ルカ「1124!…1125!…1126!…ん?あの煙…なんだ…?
!?あれって村の方向じゃないか!?何があったんだ…とりあえず急いで村まで戻ってみよう!」
ルカが急いで村に戻ってみると、ほとんどの家は壁や扉が壊され火が放たれていた。
急いで自宅に戻ったが、ルカの家はとっくのとうに火がつけられていた。
周囲には血の生臭さと何かの焦げるような匂いが漂っていた。
ルカは何の焦げる匂いなのかを確めようと家の中に入りすぐ、その原因を見つけた。
自分とより一回り二回りほど小さい人の焼死体だった。
ルカはその死体を見た時にすぐに気づいた。
見覚えのある髪飾りとペンダントを着けていたことに。
ルカはこれが誰なのか分かり激しい吐き気を催し、その場に嘔吐した。
ルカが悲しみにくれていると突然、悲鳴が聞こえてきた。
聞き覚えのある女の子の悲鳴だ。
ルカは急いでアリアの家へと向かった。
するとアリアの家の回りに見たこともない生物が居ることに気がついた
ゴブリンの集団「キィィィ!!キィィィ!!」
ルカ「なんだあの生き物!?もしかして村を襲ったのはコイツらか!?そこをどけ!変な生き物共!大丈夫か!?アリ…ア……」
ルカは見たことの無い生物たちを木剣で殴り掻き分けてアリアの家の中に入った。
そこには血まみれになった死体が2つとそれを前に絶望と恐怖で立ちすくんだアリアが居た。
そしてアリアは小さな声でこう呟いていた。
アリア「イヤだ…イヤだ…ウソだウソだ…こんなのウソだ…」
ルカ「あの血まみれで倒れてる2人は…もしかして…」
このままでは、2人まとめて殺されると悟ったルカはアリアだけでも連れて逃げようとした。
ルカ「ア、アリア!!逃げよ!!ここから!!」
アリア「イヤだ…父さん!!母さん!!返事してよ!!」
ルカ「早く!!逃げるよ!!立って!!」
アリア「イヤだ…ここから動きたくない!!2人から離れたくない!!」
ルカ「無理やりにでも連れて逃げる!!」
アリア「イヤだ!!イヤだァァア!!!!」
ルカは無理やりアリアの手を引っ張り村から逃げた。
~森の訓練所~
森の訓練所まで逃げてきた2人だったが、アリアはまだ現実を受け入れられずに居た。
アリア「ウソだ…こんなのウソだ…悪い夢でも見てるんだ…」
ルカ「あれは夢なんかじゃない…現実なんだよ…僕が…俺がもっと強くならなきゃ!アリアだけでも守れるように!!」
こんな状態になっているアリアを見てルカは決意した。
自分が強くなりアリアだけでも守りきれるようにと。
不定期で投稿をして行くつもりなので、また見かけた時はぜひ読んでくださいね。