月の女と蒼の騎士そして上る天使
「馬鹿なっ!」
レェーネは兵を連れて東の拠点へと急ぐ。しかし、やはりそこは敵兵に占拠されていた。レェーネが兵士を連れて突っ込む。あっという間に兵士達が倒れてゆく。
「そう来ると思っていたよ!」
そういうキアナは伏兵を用意していた。伏兵がレェーネを襲う。
「そして、ここで1度退却するはずだ!」
だが、いつまでまっても退却の言葉がでない。
「敵兵は?」
「それが……東の拠点は占拠されたそうです。」
「何?!馬鹿な!」
キアナの予想通りだったのだが、レェーネは力技でそれを押し破ったのだ。
「そうか、あちらにはきっと、この世界にいない客師がいるのだろう。いや、客師と言うより、一騎当千の兵がいる。なるほど、では……」
キアナは次の手を決めた。その時、
「キアナ様!西の拠点が取られました!」
「何?!馬鹿な!何故?!」
西の拠点は攻め落とすのは不可能だった。周囲を崖で囲われており、通路は吊り橋だけである。吊り橋は落としてしまったはずだった。
「そんなの空でも飛べない限り……」
「それが!鉄の鳥が飛んでいて……」
「っ!過去の時代にそんなものが?!いや、まて、西側にもいるのか、天才が!」
西の陣地にて、
「聖女様バンザイ!サークル国バンザーイ!」
聖女と崇められていたのは1人の少女だった。
「このフェナーサ・リングがいる限り!我が国に敗北のに文字はありません!どうか、侵略者に負けずに勝ちましょう!!」
フェナーサ・リングは勘違いしていた。サークル国は自分達の領土を侵略されて占拠されているとフェナーサに吹き込んだのだ。そうして月は上り、天使は歌う、蒼き騎士は地をかける。勝つのはだれか?それは誰もまだ知らない。