血染めの町
「降伏していただこうか!ウィルマ姫!」
「っ!」
「だ、ダトラス?なんで、なんで貴方がここに?東の町を守りに言ったんじゃ……?降伏とは?」
「頭が煮えたぎってるいるのか?このバカ女!この状況を見ても私が敵だったと気づかんか?」
「て、敵?!何を言って……だって、貴方は誰よりも皆のリーダーとして働いて……」
彼女の言葉を遮るようにダトラスは兵士達に剣を構えさせる。レェーネの視界に子供の死体が映った。
「レディー。諦められよ。」
「へ?」
「こいつは貴方が思っていたような人間ではないと言うことだ!!」
レェーネは怒りから剣を構え殺気を放った。
兵士達は怖気付くがたった1人とバカにしていた。
「う、嘘よ、だって……だって!」
ダトラスはいやらしい目でウィルマを舐め回すように凝視する。
「ふふふっ!お前を手に入れた暁には私の奴隷として生かしてやらんことも無い!そして、お前の父母の前で全裸に剥いて恥辱の限りを尽くし、舐めまわしてやろう。ふっふっふっ!はっはっははははははは!」
「ひっ!」
それを聞いたウィルマの顔は青ざめる。レェーネは剣を構え直した。
「かかれ!!」
ダトラスの指示で一斉に2人へと向かってくる。凍る。空間が凍った。レェーネはその場から動かずに剣をふるった。
そして、時は動く。
「ははっははははーーは?」
ダトラスの声が響く。気がつくと空間が歪んでいた。否、ダトラスの体の腰から半分が無い。
「は???」
ソレはただの肉塊となって崩れ落ちた。
「…………外道が。」
レェーネはそういうと剣を鞘に収めた。
「まっ、まって!まだ敵が!」
ウィルマが言うが早いかそうなるのが先か、敵達は自分が死んだと気づかずに立っていた。一斉に肉塊となり血しぶきが飛び交う。
「あ……」
「レディーそれより他に安全な場所は?」
「あ、ああ……」
あまりの血なまぐさい光景に彼女は地面へと崩れ落ちる。
「……」
レェーネはそっと彼女に、手を差し伸べた。
「行きましょう。レディー。」
「でも、でもっ!」
「大丈夫!俺が付いてますから!」
その言葉に慰められるように立つ。足はまだ震えているが立てなくは無い。彼女は再び立ち上がり騎士を見つめた。端正な顔が血飛沫で紅く汚れていた。
「レディー、ここで状況確認しておきましょうか?」
「こ、ここで?大丈夫かしら?追ってが来ないかな?」
「見たところ他に兵士は見当たりませんし、それに俺がいるので安心してください。貴方を必ず守ってみせましょう!」
ウィルマはうん、と頷いた。そして話しだす。この国の事を……。全ての始まりを……。
不定期更新ですがよろしくお願いします。




