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必ず死ぬ君を救うには  作者: 七海飛鳥
第二章 ゲーム本編――始動

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脳筋エルフ

最近絵を描くのにハマっています!(更新が遅くなったのはそのためです……)

Side Liz


ララの言葉にハッとして振り返る。歪に立ち上がった男がそこにいた。


「ララ、死霊術に関して本当に知らないけどさ……もしかして術者本人も死霊になるのかい?」

「さあ……?アイン君に聞く?」

「アインが知ってる訳ないだろう?」

「じゃあノア君」

「むしろ知らないと思うね」

アインは博識だから、何でも知っていそうな錯覚を覚えるが、九星で最年少だ。ノアはララより宗教的なものに触れていない筈だから、より知らないだろう。未来を見たらわかるだろうけど、もしそうならとっくに対処法なりなんなり、愛しのララに教えている筈だ。


「とりあえず、ララが聖属性魔法を放てば何とかなるんじゃないかい?」

「でも一応ここ私の結界の中だよ?」

「その上で……」

「もしかしたら、魔法が通じないかもしれないわ。一応やってみるけど」

そう言って、ララは詠唱を始めた。


「天から光が落ち、地の者を明るく照らす。全ての罪が許され、浄化される。罪深き者へ――楽園へ(プレルード)の序曲(・トゥ・パラダイス)

ララが言い終わると同時に、男の上から光が降り注いだ。その中で、男が目に見えない何かに次々と切り裂かれている。一瞬やったか、と思ったが切り落とされた側から再生していく。焼け石に水だな、と思った。



「ダメそうね……」

「確か、ララが使える魔法の中で一番強い魔法だった筈だがねェ……?効いている雰囲気がないと思うけどねェ?」

「うーん。どうしよう。毒も厄介だし。あの女性は、エリ君とオト君が何とかしてくれているし、ゼス君とノア君が大男と対峙しているラース君とミリアちゃんをサポートしてくれているから、大丈夫だけど」

少し表情を険しくさせたララが、まっすぐ前を向きながらそう言う。



「君たちは、彼岸じゃないからそいつを殺せない」

緑髪の男がそう言った。アタシがそちらに目を向けると、緑髪の男が穏やかに笑っていた。しかし、どこか人を馬鹿にするような感じがあり、気分が悪い。


「そうかい?ウィキッドは彼岸にしか殺せない……というのはもう古いんじゃないかい?今は彼岸でも誰でもウィキッドを殺せるさ」

「それは昔からそうだろう?僕が言っているのは、そいつも一応力を持っている訳だからさ、彼岸じゃないと殺せない、という訳。流石にそれを時代遅れというのかな?それにしては――随分とのんびりしているけれど」

「「!!」」

アタシとララの表情が固まる。けれどそれは一瞬のことで、すぐに表情を取り繕う。しかし、ヤツにはそれで十分だった。


「図星、だろう?そうだよね。君たちはいつも倒すことより足止めに注視していたから。まるで、誰かを待っていたかのように」

そう言って、顔を誰かに向ける。その先には、ラースがいた。



「殺すのかしら?」

少しの沈黙が支配した後、ララは口を開いた。流石は王妃、堂々としている。


「いや?一度戦力を整えないとね。きちんと、ここを落とすために」

「じゃあ帰ってくれるかい?そして一生ここに来るな」

「辛辣だね。でも、土産は置いていくよ。それにまだ、帰るのは早計だと思うからね。君たちを下した後に帰っても罰は当たらないと思うんだよ」

「は?」

にやにやしながら、緑髪の男はそうのたまった。



「やれるならやってみるがいいさ!」

アタシは頭にきて、挑発した。そんなアタシの内情を読んでいるのか、緑髪の男はにやにやしている。


「アタシの名はリズだ!アンタ、名は何だい?」

「面白いね、僕の名前?……ヌフィストだよ。ついでじゃないけど、そちらのお嬢ちゃんの名前は?」

「ふふ、初めまして。私の名はララ・アセンダント・アストロロジー。この国にあだなす貴方の名前は覚えましたわ」

「そう?別に覚える必要もないのに」

「それはアンタがここで死ぬからかい?」

「いや?ここで君たちが死ぬからだよ」

その瞬間、アタシは大槌を振り下ろしていた。


「野蛮だなあ。まるでアナを貶したときのグレースみたい」

「チッ、今度は当たっておくれよ」

「ほら、僕にかかりきりでいいのかな?あっち、動き出したけど」

ヌフィストが指さした方を見ると、確かにあの男が動き出していた。厄介な、と思った時にふと思った。



――なんで最初の方は襲ってこないんだい?



大槌でぐちゃぐちゃにしたからだ、と結論付けることはできる、けれどどうもしっくりしない。


ヌフィストに攻撃を仕掛けながら、頭の片隅で考える。ヌフィストは、ララから離れるようにアタシを誘導している。なので、ララから一定以上離れないように攻撃の手を緩めたり、逆に挑発したりしている。


「ヌフィスト!サポートが欲しいなら言ってよ!」

突然、女の声が聞こえたと思ったら、鋭い風の刃がアタシに降りかかった。


「ぐ……!」

「リズちゃん!!」

慌てて後退したものの、間に合わなかった。


「助かったよ、グレース。すぐ挑発に乗るから、短気かと思ったら予想外に冷静でね……」

「何か嫌な予感がするの。色々とおかしい」

「え?」

「まるで……これを見越していたみたい」

「確か、”絶対零度の司令塔”という二つ名を持つ人間がいたよね。未来が見えるんじゃないか、って噂の……」

「噂でしょ?過去にもそんな能力を持った人間見たことない!」

「いや、一人いたさ」

なにやら、分からない会話をしているが、ノアについて話しているのだろう。……あの、国民ですらほとんど信じられてないような話を知っているんだ……。ララに怪我を治してもらいつつ、やや呆然気味に思う。まあ、ララが九星(アストロロジー)と名乗ったからか、あの噂話を連想させたのかもしれない。


「だがもうとっくに死んでいる筈だ。しっかり止めを刺したからね」

不意に女――グレースとヌフィストがこちらを向く。


「でもまた殺せばいい」

「そうだね。いくら未来が見えたとしても、一回殺せたんだ、また殺せるさ」

その言葉に、アタシはぞっとした。


「ウ、アア、憎い」

すぐ近くに来た屍の男。ララを守るために大槌を振り下ろす。また生々しい音を立てて潰れる屍。グレースは、大げさに顔をしかめていた。


まあ、たぶんこれで大丈夫だろう………たぶん。


そう思いつつ、振り下ろした大槌を構えた。その時、あるものがアタシの視界に入ってきた。なんとなく、この大槌がヤツらに効いた理由が分かった気がした。

この世界の常識(ちょっと遅いかもしれないけれど)


・九星


ステラ以外の人……世界の最強の九人に贈られる称号か何か。ほとんど眉唾物。理由は、話がやけに大きすぎて、信じられないため。(その話はほとんどが実話)


ステラの国民……国軍所属の秘密結社。陰謀論にも出てくる。ほとんど信じられてない。子供は大体信じているが、次第に嘘だと思っていく。そこはサンタクロースと一緒。理由は、話がやけに大きすぎて(ry


ステラ以外の軍人……奴だ!!奴が来た!!!逃げろ!!!――あ(絶命)。


ステラの軍人……羨望の対象。神様女神様。やけに大きい話も全て信じてる。ガチの信奉者は、一目見るたびに涙を流し、会う度に頭を深く下げて彼らが通り過ぎるのを待つ。英雄的存在。


セオドア国王……なぜか存在を知ってる。


マティアス……なぜか存在を知ってる。


ジェシカ……マティアスに教えて貰った。


九星……信じるも信じないも、そもそも自分自身。どれが実話でどれが嘘かは分かる。




・精霊


九星以外……眉唾物。地球と同じ認識。信じてる人は笑いもの。だが、精霊学が存在するから、地球より信じてる人は多い。


アイン、ラース、ノア以外……アインが精霊学者だし、自分たちも精霊学の考え方で人体改造をされたため、いるのかもしれない、と考えている。ほとんど信じてない。


ラース……半信半疑。けど他の九星よりは信じている。


アイン、ノア……精霊はいる。信じているのではなく、いることを知っている。


学者……かなり有名な皇御影の弟、月影が優秀な精霊学者であるため、精霊の存在を信じている。


皇月影……優秀な精霊学者。久遠の発展に貢献してきた。現在行方不明。




・魔法


ステラ以外の人……使える人は限られてる。十人に一人いるかどうか。使えたら出世間違いなし。複数属性はかなり希少。


ステラの国民……使える人は限られてるけど、他国より圧倒的に多い。五人に一人は必ずいる。それよりも強力な異能力を扱えるかどうかが重要。複数属性は希少。


九星……普通に複数属性を操ってるやばい集団。プラスで強力な異能力者。


魔族……此岸は2属性、彼岸は少なくとも3属性以上持たないと落ち零れ。




・魔族


九星以外の人……一度も会ったことない。いるのは知ってる。でも魔族は国から出ないから見たこともない。だけど、美貌で一つの超大国を3つに分けたやつがいるらしいから、めっちゃ美形だと思う。


マティアス、ジェシカ、シリルetc...……魔族は此岸と彼岸に分かれている。でも此岸に会ったことない。だからか、人離れした怪物だと思っている。(原因:アイン、ラース)でも、それを無闇に振り回さないことを知っている。


九星……強さ至上主義の脳筋。戦闘狂。ある決められた手順を踏まない限り死ぬことはない。けれど、その心は人間と一緒。アインは可愛い。ラースはいじれて面白い。


魔族……魔王様バンザイ、魔王様バンザイ!!強さ至上主義?そんなもん政治に持ち込むな!!此岸は最高、彼岸は面倒。人間は知らん。




・異能力


ステラ以外の人……異能力?何それ美味しいの?


ステラの国民……異能力に目覚めたはいいものの、なんか微妙……。これ、どう使えばいいの?あ、隣の人の祖母の従弟の友達の妹の夫の姉の孫の方がいい異能力持ってるじゃん……。どっちも使えないけど。


ステラ以外の軍人……ステラ軍だ!!気をつけろ!!!貴重な魔法使いを守れ!!!……な、なんか馬が暴れたぞ!!これは絶対奴らの仕業だ!!!(相手の異能力の所為じゃない時もある)


ステラの軍人……え、強力な異能力を持ってて羨ましい?いや、全然ですよ。え?火を操るのはすごいって?褒められるのは嬉しいですが、あのお方たちの方がとても強力な異能力をお持ちですよ。火を扱うだけの自分より。


九星……なぜかオケディア(ステラ)出身じゃない人も異能力持ってる。異能力は必殺技じゃなくて、攻撃手段の一つ。何なら異能力でテレパシーもできる。(テレパシーができる異能力を、誰も持っていません)

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