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「ふぅ…気持ちいい」

クロは汗を流した。シャワーを止め、鏡に映る自分を見た。

「まだ細いな。もっと鍛えないとな」

体を拭いて服に着替えた。部屋に戻ると、机にたくさんの書類が積まれていた。椅子に座り、書類に目を通すと、兵士の備品や配置などが書いてあった。その中に紛れて、ウルフのほしい物リストが入っていた。

「どれどれ…って。全部却下だろ。でも、一つくらいは用意しようかな。恥ずかしいけど」

全てに目を通し、一つにチェックを入れた。書類を片付け、スケッチに絵を描いた。

「あいつ…サイズいくつだろう?まぁ、いっか。ここを…」

デザインに色を塗り、完成させた。窓を開け、一羽のカラスを呼んだ。

「ウルフを呼んでくれ」

カラスはそのままどこかへ飛んでいった。少し待つと、ウルフが部屋に入ってきた。

「クロ〜。なぁに?」

「お前が欲しがってたやつを作ったよ」

そう言うと、ウルフにデザインを見せた。

「あら!好きなデザイン。クロ。いいの?」

ウルフはデザインに一目惚れ。

「あぁ。お前にはいつも感謝してるからな」

そう言うと、デザインに何かを書き手を置いた。呪文を唱えると、デザインが出てきた。

「クロ。ありがとう」

ウルフは出てきたデザインを受け取った。

「にしても、なんでそんな露出度の高い服が好きなんだ?寒くないのか?」

クロは疑問だった。ウルフはウインクをした。

「まぁ、色々あるのよ。それに、綺麗に見えるでしょ?」

そう言うと、ウルフは服を脱ぎ出した。

「おいおい…」

クロは呆れつつ後ろを向いた。

「いいじゃない。てか、私の裸に興味ないの?」

「いいから着れ!」

ウルフは新しい服に着替えた。

「サイズもピッタリ。ありがとう」

ウルフは部屋を出ていった。

「はぁ…」

クロは深いため息を吐き、椅子にもたれた。窓を見ると、夕方になっていた。

「もう夕方か。飯でも食べて休むか」

そう言うとクロは立ち上がり、キッチンへ向かった。


それからしばらくの間、クロは馬術や稽古に励みつつ、兵士の状況も見ていた。

「クロさま。お身体が良くなってきましたね」

ルナを手入れ場に繋いだ若い兵士に声をかけられた。

「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」

クロはブーツを脱いだ。ルナの体から湯気が出ていた。

「君もいつもルナの事ありがとうな。君も馬術上手くなっているぞ」

「ありがとうございます」

若い兵士はルナの体を洗った。

「さてと。俺は部屋に戻って稽古の準備するよ。ルナをよろしくな」

クロは立ち上がった。

「はい」

若い兵士はクロを見送った。

部屋に戻ると手甲鉤を装備した。稽古場へ行くと、ウルフが待っていた。

「やる?」

ウルフは鞭を片手に構えていた。

「あぁ。今日もお願いします」

クロも手甲鉤を構えた。一瞬の静寂が走ると、二人はぶつかった。その衝撃で火花が散った。

「激しくしちゃうわ!」

ウルフの華麗な鞭捌きをクロは避けていった

「…」

「余裕は出てきているけど、まだまだよね?」

ウルフはスピードを上げていった。

「余裕はないな」

クロは避けるのを止め、手甲鉤で受け止めていた。

「防御?いいわね!」

ウルフはさらにスピードを上げた。クロは全てを受け止めた。

「じゃぁ、そろそろ攻撃するかな!」

クロは受け止めつつも前に出た。

「進めるかしら…」

そうウルフがニヤけると、鞭が複数に増えた。

「…」

クロは冷静に状況を把握し、鞭を避けながら距離を取った。

「いい判断。でもね」

複数のうちの一本がクロに目掛けて飛んできた。

「これはどうかな?」

ウルフは微笑んだが、クロは冷静にそれも避けていった。

「お前のやることだ。仕掛けすると思ってたよ」

クロは距離をとり、手甲鉤を突き立てた。

「今度は俺からだ」

クロは飛び出した。ウルフはまた鞭を構えた。

「来なさい…」

ウルフは鞭を放った。クロは深く息を吐き、手甲鉤でウルフの鞭を弾き返した。

「まだまだ〜」

ウルフはまた鞭を複数に見せかけた。しかし、クロはそれを全て手甲鉤で受けながらウルフに急接近した。

「今日は行くぜ」

手甲鉤を振り上げたが、一本の鞭が飛んできた。

「私に攻撃は当たらない!」

クロはその鞭も手甲鉤で受けた。

「燕返しだ」

手甲鉤の刃の向きを変え、下からウルフを切り上げた。

「…!」

ウルフは紙一重で交わしたが、服が切れ胸が露出しそうになった。

「あ…」

「あぁっ!も〜最悪」

ウルフは急いで腕で胸を隠した。

「クロ〜絶対わざとでしょ〜」

急いで腕で目を隠した。

「わざとじゃねーよ!早く…着替えろ!」

「えぇ〜部屋まで遠い〜」

ウルフはクロに詰め寄った。

「ったく…わかったよ!」

クロは苛立ちながらも、ローブを脱ぎウルフに羽織らせた。

「ンフ。ありがとう」

ウルフはローブで上半身を隠した。

「今日はここまでにしよ。こんな格好じゃやってられないわ」

ウルフは稽古場を出た。

「はぁ…全く」

クロも稽古場を出た。


シャワーで汗を流し、服に着替えた。疲れたように椅子にもたれた。

「…あ。メガネ外せば見えないじゃん。腕じゃなくても…」

メガネを外すと、全てがボヤけて見えた。

「あぁ…生活等に支障が出るな」

メガネをかけた。

「…」

何かに取り憑かれたように立ち上がり、本棚を眺めた。部屋にある本はほとんど読んでいた。

「うーん。図書室行くか」

部屋からでて、クロは城の図書室へ向かった。広い廊下を歩き、図書室の扉を開けた。広い図書室には誰もいなかった。明かりをつけ、図書室を歩いた。

「叔父さんの分野外だったから…あるかな…」

探しながら歩き回った。しばらくすると、目的の本を見つけた。

「あった…」

クロは本を手に取った。使っていなかったのか、本に埃が掛かってた。埃を払い、開いた。

「あぁ…これだ…」

納得し、本を持って図書室を出た。部屋に戻り、椅子に座った。机に本を置き、魔法でノートとペンを出した。

「久しぶりに勉強するか…」

本を開き、ノートにペンを走らせた。しばらくすると、ノックが聞こえた。

「?入れ」

扉が開くと、ウルフが入ってきた。

「クロ〜。ローブ返しにきたわ。洗ったからね」

ウルフは部屋に入るなり、ハンガーにローブをかけた。

「あら。調べ物?」

ウルフはクロに近いた。

「あぁ。ちょっとね」

メガネを外し、クロは伸びをした。

「はぁ〜わからん…」

メガネを拭き、かけた。

「何の調べ物?」

ウルフは尋ねた。

「あぁ…これはな。空間に関する本だ」

「空間?」

クロは頷いた。

「あの子を助けたい。だけど、あの子の力を狙うために相手が攻撃を仕掛けてくるだろう。あってはならないが、そのためにまた争いも考えられる」

「…」

「俺一人で行けるなら、別にいいが。だが、大人数になると俺一人の力じゃ無理だ」

「で、何で空間?」

ウルフの問いかけに、クロはため息をついた。

「この世に俺の協力者はいない。争いになったら勝ち目はない。だけど、この城には俺の協力者がいる。だけど、この世の人間じゃない。そこで、一時的に空間をいじってこの世に兵士たちを連れて行けれるようにする」

「そんなこと出来るの?」

クロは微妙な表情をした。

「うーん。一定の空間を作るってなると、確実に兵士を連れて行けれる。そこの空間内は自由に動けれるからな。でも、空間そのものをいじるよりも、移動範囲を広げたいから合図したら空間関係なしに現れるようにもなりたい。でも、兵士はこの世の人じゃないから生身でこの世に出ると消えてしまう」

クロは頭を掻いていた。

「うーん。難しいことはわからないや。まぁ、がんばー」

ウルフは部屋を出た。

「はぁ…勉強不足だ。あー大学もう一度行きてー」

嘆きながらも、クロはまた勉強をした。気がつくと、夜になっていた。

「あぁ…全然ダメだった…」

諦めたように、ベットに行き布団に潜り込みそのまま眠った。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。

忙しく、なかなか投稿ができなくて申し訳ありません。


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