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「クロ。いいリフレッシュしてるかしら」

城の窓からウルフは夜空を眺めていた。

「はぁ。今日も疲れたな。でも、生きていた時よりずっといい夜だな」

すると、一人の兵士が声をかけた。

「ウルフさん。お疲れ様です」

「お、お疲れ様。調子どう?」

「はい。調子は大丈夫です。城の見回りも特に異常なしですし、施設設備も異常なしです」

「そう。ありがとう。そろそろ寝るわ。みんなもゆっくり休んでね」

「ありがとうございます」

兵士は去っていった。ウルフは体を伸ばしながら部屋へ戻った。派手な服を脱ぎ、裸になった。タオルを持ち、シャワーを浴びた。

「気持ちいい…」

体を拭き、長い赤髪を束ねた。裸でベットに横になった。

「これが気持ちいいのよね。いい事をライトさんから学んでよかったな」

ウルフは疲れていたのか、そのまま眠った。

目を覚ますと、太陽が昇っていた。

「やべ…寝過ぎた…」

床に散乱している下着を取り、布団の中で着替えた。部屋を出て城を歩くと、兵士たちが掃除や稽古に励んでいた。

「今日もみんな元気だね」

一通り見回り、クロの部屋に入った。窓を開け、部屋を換気した。

「ライトさんの匂い…もう無いな」

どこか切なく感じた。

「さて、私も稽古するかな」

ウルフは部屋を出た。すると、クロの机に置いてあった本が風でページがめくれた。



「…」

一つの丸太にクロは集中した。風が吹いた瞬間、丸太は粉々になった。手甲鉤には丸太の破片がついていた。

「まだまだだな」

手甲鉤から丸太の破片をとった。ふと手甲鉤を見た。

「あぁ…ボロボロだな」

刃が欠けており、凸凹していた。

「新しいの作るか」

部屋に戻り早速新しい手甲鉤を作る準備をした。

「どうしようかな…」

紙を取り出し、デザインを描いた。

「ワイヤーも使いやすいように…後、ちょっとかっこよくでもいいな。刃も少し大きく」

出来たデザインは、持っていた手甲鉤より少し大きな漆黒の手甲鉤になった。

「うん。これでいくか。切れ味は、出来てから調整するとして」

デザインを床に置き、クロは何かを唱えた。すると、デザインから実物が出てきた。出てきた手甲鉤をはめ感触を確かめた。

「ちょっとサイズ小さいかな。少し削るか」

魔法で出したヤスリで手甲鉤のはめる部分を削り調整した。

「…うん出来た」

さらに魔法で砥石を出した。

「刃をしっかり研いでっと」

三本ついている刃を丁寧に研いでいった。

「よし。我ながらいいな」

漆黒の手甲鉤の刃が反射でクロを映し出した。手甲鉤をしまうと夕方になっていた。

「時間の流れが早く感じるな…」

キッチンに行き、適当に食材を出して料理した。

「まぁ、いっか」

野菜と肉を炒め、適当に味を整えて皿に移した。

「いただきます」

黙々と食べた。食べ終えると、クロは深いため息を吐いた。

「本当に、のんびり過ごせてるな」

食器を片付け、シャワーを浴び体を拭いた。

「ウルフだったら、裸で寝そうだが…俺は無理だな…」

服に着替えた。ベットに座り、頭を真っ白にして何も考えないようにした。

「…」

ベットに横になって天井を眺めた。ふと、あることを思い出した。

「俺…なにか忘れてたな。叔父さんに頼まれたあの子を守ることを…」

ここ最近、稽古と体育大会に夢中になって忘れていた。しかし、もう夜だ。

「明日、カラスに聞くか」

そう言い、メガネを外してクロは眠った瞬間、すぐに目を覚ますとあたりが薄暗くなっていた。

「もう朝か…」

メガネをかけた。外を見ると、朝焼けに一羽のカラスが飛んでいた。

「お。来たか」

カラスはクロ目掛けて飛んできた。窓を開け、カラスを迎え入れた。

「おはよう。調子はどうだ?」

カラスはクロに擦り寄った。

「よかった。ごめんな。最近の状況聞けていなくて」

カラスはクロの耳元でクチバシを動かした。

「うん…よかった。ありがとう」

カラスをキッチンへ連れて行き、冷蔵庫からおやつを取り出した。それをカラスに与えると、カラスは嬉しそうに食べた。

「また頼むな」

クロはカラスを外に放った。

「無事に生きていてくれよ。俺が迎えにいく日まで…」

クロはカラスを見送った。

それから数日後。クロは城へ戻った。

「クロ。おかえり」

部屋にフッとクロが現れた。

「あぁ。ただいま。いいリフレッシュになったよ。ありがとう」

クロは椅子に座った。

「顔色も良くなってるじゃない」

ウルフはどこか安心していた。

「まぁ、好きなことしてだだけだし。後普通に稽古もした。おまけに俺の武器も新しく作り直したよ」

そう言うと、漆黒の手甲鉤をウルフに見せた。

「あら、かっこいいじゃない。ライトさんの好きそうな感じ」

「ワイヤーを使いやすいようにしたかったんだ。前のは刃だけしかついていなかったけど、ワイヤー通す穴を作った」

「ふーん。で、今日はこれからどうする?」

クロは立ち上がった。

「新しい武器で稽古がしたい。手合わせいいか?」

ウルフは口角を上げた。

「ええ。もちろん。やりたくてうずうずよ」

クロとウルフは稽古場へ向かった。ウルフは鞭を手に持った。

「クロ。かかってきなさい」

クロは手甲鉤をはめた。

「…」

一瞬静寂が走ると、クロは一気に飛び出した。ウルフは鞭のグリップでクロの攻撃を受けた。

「あら。いいじゃない」

「この鞭頑丈すぎるだろ」

クロは一度距離を取り、再度ウルフに攻撃を仕掛けた。

「じゃぁ、攻撃していくわ」

ウルフが鞭を振るった。クロはその攻撃を手甲鉤で受けていた。しかし、ウルフの鞭捌きが上手いのか、なかなかウルフに近づけれない。

「私に近づけれるかしら?」

鞭捌きが加速した。

「チッ…」

クロも手甲鉤で鞭を受け続けた。クロは冷静に鞭の動きを注意した。

 どこかに隙はある…

攻撃を受け続けると、クロは気づいた。攻撃のパターンに。

「よし…」

息を一気に吐き、ウルフに急接近した。

「無駄よ!」

鞭がクロの顔面に飛んできた。

「…っ!」

クロはそれを紙一重でかわし、ウルフの鞭を持っている手を思いっきり手甲鉤で殴った。

「イッター!」

ウルフがのけぞった所を背後に周り、首元に手甲鉤を突きつけた。

「攻撃パターンが同じだから、隙が見つけれたよ」

「あら…わかった?でも避けれるようになったわね」

手甲鉤を下ろし、閉まった。

「だいぶ取り戻してきたんじゃない?」

ウルフも鞭を片付けた。

「いや。まだまだだ。俺は弱い」

「もー。悲観しすぎ」

ウルフはクロの頭を撫でた。

「あんたは、強くなってるよ。あいつらより人一倍努力している」

「…」

「汗かいたし、一緒にシャワ…」

「絶対嫌だ!」

「えー」

「とりあえず。今日はありがとう」

クロは部屋に戻った。

「もう…一緒に入りたかったのに…」

ウルフはトボトボ稽古場を後にした。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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