13
目を覚ますと、もう朝になっていた。
「あぁ。懐かしい夢見たな」
ゆっくりと体を起こした。昨日の疲労が全くなかった。伸びをし、ベットから出た。
「はぁ、そうか。明日は本番か、今日は最終調整するか」
厩舎へ行く準備をし、部屋を出た。ウルフのいびきが響いている廊下を歩き、外に出た。厩舎へ向かうと、もう兵士たちがいた。
「クロさま。おはようございます」
兵士たちが挨拶をしてきた。
「おはよう。ここにいるメンバーに言うが、明日は体育大会だ。馬で出る人も出ない人も、とりあえず怪我に十分注意して楽しんでいこうな」
「はい!」
兵士たちは返事をした。クロはルナの所へ向かった。
「ルナ。おはよう」
ルナは鼻を鳴らした。
「クロさま。おはようございます」
「おはよう。今日は最終調整するよ。ルナ出すね」
「はい。気をつけて」
ルナの馬装を整え、馬場へ入った。
「ルナ。明日は思いっきり楽しもうな」
そして、ルナに跨った。ルナはやる気で満ち溢れているのか、クロの指示に的確に答えた。数十分で調整が終わり、ルナを洗い場へ繋いだ。
「今日はうまく乗れたよ」
クロはルナに水をかけ、体を冷やした。若い兵士は手入れを手伝おうとするが、クロは一人でこなした。
「クロさまって…不死身ですか?」
若い兵士の質問に、クロは笑った。
「不死身なわけないだろ。俺なんて、重体だったんだ。不死身ではない」
ルナの手入れを終え、ルナを馬房へ戻した。
「明日が楽しみだな。君の方は大丈夫か?コンディションとか」
「はい。お気遣いありがとうございます」
「よし。君も怪我のないようにな」
「はい!」
「じゃぁ、俺は部屋戻るよ。明日はよろしくな」
そういうと、クロは部屋へ戻った。
「クロ!おはよー」
ウルフが部屋に入ってきた。
「おはよう。どうした?」
「特にないわー」
ふとクロは思い出した。
「そういえば、ウルフは何に出るんだ?」
「体育大会?女性だけでダンスしようと思ってるの。いいでしょ?それとも公開…」
「それ以上言うな。ダンスか。いいな」
「一緒にどう?」
「俺は馬術でいっぱいいっぱいだ。まぁ、お前のダンス。見届けてやってもいいが」
「上から目線で腹立つわー」
ウルフは椅子に座った。
「クロ。あんた、本当に少しづつだけど復活してるわね」
クロはお茶を一口飲んだ。
「あぁ。いつまでも弱いままじゃ駄目だし。でも、そう言ってもらえると俺も嬉しい。この体育大会で完全復活とまではいかないが、元気な姿を皆に見せたい」
「そう来なくっちゃ!」
ウルフは立ち上がった。
「で、今日の稽古どうする?」
「あぁ。もちろんするさ。なんなら、今行こうか」
クロも立ち上がった。
「じゃぁ、行きますか」
二人は稽古場へ向かった。いつものように竹刀を用意した。
「ウルフ。明日体育大会だが…」
「ん?関係ないわよ?」
いきなりウルフが飛び込んできた。クロは竹刀で受け止めた。
「ふーん」
ウルフはさらに攻撃をしたが、クロは全部受け止めた。
「今度はこっちだ」
冷静にウルフに攻撃を仕掛けた。ウルフもクロの攻撃を全部受け止めた。
「あら。いい動きしてきてるじゃない」
ウルフが華麗に攻撃をかわし、クロに攻撃を仕掛けたが。
「…」
冷静に予想を立て、ウルフの動きを止めた。
「毎日してるから、動きわかってきてるじゃん」
その日の稽古はお互い攻撃を受けることがなかった。それどころか、クロ自身も無駄な動きが少なくなったのか、昨日より呼吸が上がっていなかった。
「だいぶ復活したんじゃない?」
「たった数日だぞ?まだまだだろ」
「まぁね」
竹刀を片付け、クロはウルフに礼を言った。
「ウルフ。今日もありがとうな」
「ううん。私も強くなりたいし。さ、明日の準備しましょうか」
「そうだな。でも、その前に汗を流すか」
稽古場を後にし、クロは部屋でシャワーを浴びた。体を拭き、服に着替えた。
「さて、明日履くブーツを磨くとするか」
黒い革製のブーツをクロは丁寧に磨いた。
「いつ以来かな。ブーツの手入れしたの」
しばらくすると、ブーツは光沢を放ち綺麗になった。
「よし。後はグローブと白いキュロットと…ワイシャツといい白ネクタイ。大学以来だからな。大会の準備なんて」
準備をしていると、黒いハットを見つけた。
「これ被るの久しぶりだな」
準備したものをまとめた。
「さて、今日はもう休むか」
気がつくと、夕方になっていた。軽く夕飯を作り、一人で食べた。明日に備え、クロは早めにベットの横になった。
早朝。クロはベットから出て、着替えをした。
「よし」
昨日準備した物を持ち、厩舎へ向かった。すると、兵士たちが朝から準備をしていた。
「みんなおはよう」
クロは兵士たちに声をかけた。
「おはようございます」
「今日は楽しんでいこうな」
そのまま、クロはルナのところへ行った。若い兵士がルナを馬房に繋いでいた。
「クロさま。おはようございます」
「おはよう。ごめんな」
「いえいえ。ルナの担当は私なので」
クロと若い兵士は、ルナの立髪を編み込んでいった。
「馬場馬らしくなってきたな」
「編み込みって、ちょっと時間かかりますよね」
「わかる。俺、最初編み込みできなかったんだ」
若い兵士は驚いた。
「え!?」
「で、一から勉強した。まぁ、女の子の髪なんて触ったことないし…」
「でも、そうですよね。男って短髪だから、編み込む物がないって言えばいいんか…」
「だろ?」
尻尾の付け根も可愛く編み込みした。
「よし。これで後馬装するだけだ。ちょっとだけ散歩がてらウォーキングしてくるよ」
「わかりました」
クロはルナを出し、外を散歩した。
「今日は頑張ろうな」
ルナは鼻を鳴らし、クロに顔を近づけた。
「わかったわかった。俺も、こんな体だけど頑張るから。ルナも頑張れよ」
ルナの顔を撫でた。
「とりあえず、道草しつつ歩くぞ」
ルナの足音が響いた。
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