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「はぁ…夕方の馬術練習に備えないと…」

クロはシャワーで汗を流しつつ、体を洗った。体を拭き、服に着替えた。

「さて。とりあえず」

部屋の本棚から、本を眺めた。

「やっぱ龍を勉強しないとな…」

そう言い、龍の骨格本をだした。ノートに丁寧にまとめ、勉強して行った。

「ただな…品種によって個体も変わるのが覚えきれないな。叔父さん…どうやって覚えたんだろう」

ふと外を見ると、夕焼けで辺りがオレンジ色になっていた。

「あぁ。もうそんな時間か。行くか…」

クロは部屋を出て、厩舎へ向かった。

「お疲れ様」

クロの呼びかけに、厩舎の皆が顔を上げた。

「お疲れ様です」

皆がクロに挨拶をした。

「ルナ。出せるか?」

クロは若い兵士に声をかけた。

「はい。もう来られると思ってたので、馬装準備終わっています」

「そうか。ありがとう」

そう言うと、ブーツに履き替え、ルナの手綱を引いた。

「今…馬場誰か使ってる?」

「いえ。今は誰も使ってないです」

「わかった」

そう言うと、ルナに跨った。

「そういえばルナ。体育大会でやる曲を決めたよ。お前も聞いたことがある曲だ。お互い頑張ろうな」

ルナの首を愛撫した。軽くルナを動かし、馬場の練習をした。

「やばいな…俺の筋肉痛…」

痛みでぎこちないが、ルナがカバーしてくれた。

「ほんとお前はすごいな」

ルナの首を愛撫した。お互いに集中していたのか、汗がすごかった。

「はぁ…もうこんな時間か」

気がつくともうあたりは暗くなっていた。ルナを出入り口に連れて行くと、若い兵士が待っていた。

「お疲れ様です」

若い兵士はルナの手綱を受け取った。

「ありがとう」

ルナは洗い場に繋ぎ、若い兵士はルナの汗を流した。

「筋肉痛が、やばいわ」

ヘロヘロになりながら、クロは椅子に座った。

「でも、クロ様の乗り方とても綺麗ですよ?」

「いや。全部ルナがフォローしてくれてるからだ。ほんと、馬に助けられてるよ」

クロはブーツを脱いだ。

「毎日ルナの手入れ、ありがとうな」

「いえいえ。これが仕事ですし、この仕事が楽しいです」

「それはよかった。そう言ってくれると、俺も嬉しいよ」

クロは靴に履き替えた。

「じゃぁ、ルナを頼むな」

「はい!」

クロは厩舎を後にした。


部屋に戻り、ベットにダイブした。

「はぁ。弱いな…俺」

ゆっくりと体を起こし、しばらくぼーっとしていた。

「…」

またベットに横になり、メガネを外して眠った。

夢を見た。

「離せ…」

すると、クロの背後から剣を構えている者がいた。

「今まで調子乗った罰だ。死ぬ前に苦痛を味わえ!」

そこで悲鳴を上げ目が覚め、体を起こした。

「はぁ…はぁ…」

汗で服が濡れていた。

「チッ…」

ベットから出た。

「もう、寝れないや」

クロは手甲鉤を持ち、部屋を出た。夜中の城にクロの足音が響き渡った。稽古場へ着くと、丸太を準備し手甲鉤をはめた。

「…」

丸太を勢いよく切り裂いた。

「…」

動きが遅いことに苛立ちを覚えた。何度も丸太をおいては切り裂くをした。気がつくと、あたりは木屑でいっぱいになった。

「あぁ。もうこんなにやったんだ…」

汗と手から流れる血で床が濡れていた。

「片付けないと、怒られる…」

魔法で片付けをし、稽古場をきれいにして部屋に戻った。汗で濡れた服を脱ぎ、乾いた服に着替え外へ出た。

「もう朝方か」

厩舎へむかうと、兵士たちが作業をしていた。

「おはよう。みんな」

クロの声にみんなも挨拶をした。

「おはようございます」

口々に皆が挨拶をした。ルナの馬房に行くと、若い兵士がルナの馬房を綺麗にしていた。

「おはようございます」

「おはよう。ルナ出していいか?馬装と運動は俺がする」

「あ…わかりました。大丈夫です。気をつけて」

「ありがとう」

ルナを洗い場へ連れて行き、馬装を整えてルナに跨った。馬場につきルナを歩かせた。

「軽く運動してから練習するか」

ルナを進めたが何処かぎこちない。

「どうした?」

すると、ルナが立ち上がりクロを落とした。

「っ!」

放馬させまいと手綱を持つのに精一杯だった。地面に落ち、背中に痛みが走ったがなんとか起き上がった。

「ルナ…どうした」

しかしルナは放馬をせずクロに顔を近づけてきた。

「…お前は本当に俺に気持ちわかるよな」

ルナを撫でた。

「ごめんな。今は乗って欲しくないよな。気の迷ってるやつを乗せたら、嫌だもんな」

すると、遠くの方で声が聞こえた。

「クロさま!大丈夫ですか!?」

若い兵士が走って来た。

「あぁ。大丈夫だ。ルナからの説教をうけてた」

またルナに跨り、軽く運動だけすると若い兵士にルナの手綱を渡した。

「練習を頼んでいいか?」

「はい。もちろんです」

若い兵士がルナに跨り、馬場の練習をした。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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